パンブロガーのふくともです。ご家庭でも手軽に作れるパンの作り方をご紹介しています。
今回は、ロシアの国民的スナックパン『ピロシキ』を作っていきますよ!
ピロシキとは?
ロシア・ウクライナ・ベラルーシ近辺で食べられている惣菜パンで、生地に肉や野菜を包んで揚げるか焼いて作ります。日本では春雨を加えて揚げる日本風ピロシキが定番で、渋谷ロゴスキー初代料理長・長屋美代さんが考案したと伝えられています。
ロシアでは春雨は入れないけど、魚肉・じゃがいも・キャベツやジャムを入れて甘くするレシピも存在する。
完成イメージ
日本でピロシキといえば、具材をパン生地に詰めて油で揚げるスタイルが定着していますが、ロシアでは焼いて作ることが多いんです。これなら揚げる手間いらないので挑戦しやすいですよね。
独学パン作り歴3年の経験を活かして優しく作り方を解説していきますので、ぜひ本場のピロシキ作りにチャレンジしてみてくださいね!
【ロシアおふくろの味】焼きピロシキのレシピ
焼きピロシキの難易度は『中』ぐらいです。揚げる手間がいらないのは助かりますね。
具材を作る工程が少し面倒ですので、このあたりを重点的に解説していきます。
難易度 | |
タイプ | 食事系 |
食感 | ソフト |
調理時間 | 約180分(発酵時間含む) |
使う道具
ボウル(直径19cm以上) |
計量カップ |
ミニ泡立て器 |
デジタルスケール |
カード(スケッパー) |
めん棒 |
刷毛(はけ) |
オーブンミトン |
ステンレスクーラー |
ステンレスバット |
オーブンレンジ |
ペストリーボード(作業台) |
材料(5個分)
強力粉 | 300g |
塩 | 6g |
砂糖 | 30g |
ドライイースト | 4.5g |
バター | 15g |
水 | 186g |
溶き卵(仕上げ用) | 50g |
たまねぎ(具材用) | 1/2個 |
エリンギ(具材用) | 1個 |
合挽き肉(具材用) | 100g |
ゆで卵(具材用) | 1個 |
中濃ソース(具材用) | 小さじ2 |
ケチャップ(具材用) | 小さじ1 |
塩(具材用) | 少々 |
こしょう(具材用) | 少々 |
事前準備
- 具材を用意する
- バターを常温に戻す(冷蔵庫から出して30分)
- 水の温度を調整する(30℃目安に季節ごと調整)
包むための具材の作り方はこのあと解説します。
使用する具材は、たまねぎ・エリンギ・合挽き肉・ゆで卵ですが、特に決まりはありません。キノコはエリンギの変わりにしめじ・しいたけでも良いですし、春雨を加えてもオッケーです。
冷蔵庫に残っている野菜を遠慮なく加えてやりましょう!
具材を作る手順
まずはピロシキ用の具材作り。
生地作りとまとめて行うのが面倒という人は、前日に仕込んでおくと気持ち楽ですよ。
手順1.具材を細かく切り分ける
たまねぎ、エリンギ、ゆで卵を粗めのみじん切りにします。
なお、使用するゆで卵は固めにゆでたものをご用意ください。
手順2.具材を炒める
フライパンに油を引いて火にかけます。
温まったら最初にたまねぎを炒めて、少し茶色っぽくなるまで炒めます。色が変わってきたら挽き肉とエリンギを加えて、塩とこしょうで下味を付けましょう。
手順3.ゆで卵を加えて味付け
具材に火が通ったら、ゆで卵を加えて中濃ソースとケチャップで味付けします。
1分くらい炒めたら火を止めてください。
手順4.バットで冷ます
具材をバットに出して、ラップをして冷まします。
常温でも良いですが、時短したい場合は冷蔵庫に入れておけば30分くらいで冷めます。
ピロシキを作る手順
具材ができたら、いよいよ生地作りの開始です!
パン生地は当記事で紹介している『基本の丸パン』をベースにしており、成形部分だけ変える感じ。つまり、基本を抑えておけば難しいパンではないということです!
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それでは、写真付きで詳しく作り方を解説していきますので、ご覧ください。
手順1.ボウルに材料を入れて混ぜる
ボウルは19cm以上の大きめのものが理想です。
ボウルに『強力粉・塩・砂糖・ドライイースト』を加えて混ぜていきましょう。
混ぜる時は手でも良いですが、ミニ泡立て器があると均一に混ぜることができるので便利ですよ。
手順2.水を加えてまとまるまでパン生地をこねる
温度を調整をした水をボウルに加えます。
水を入れたボウルは手でざっくりとこねていきましょう。この時点では、粉っぽさがなくなって塊(かたまり)になる程度でオッケーです。
ワンポイント
使う水の量は季節によって微妙に変わります。
ボウルに加える時は1割残して一度混ぜてから、粉っぽさが残るようなら加えると良いです。
手順3.作業台で10分程度こねる
生地を作業台に広げて、さらにこねていきます。
こね方は、片手で作業台にこすりつけるようなイメージで。最初は粉っぽくてベタベタしてますが、少しずつなめらかになっていくので根気強く続けていきましょう。
大体5分も続けていればベタベタ感がなくなるはずです。
手順4.バターを加えてさらにこねる
パン生地のベタベタがなくなり作業台や手にくっつかなくなってきたら、大きく広げていきます。
バターを細かくちぎって生地の上に乗せたらかぶせるように閉じて、パン生地に馴染むまで手でもみ込んでいきます。
バターが入ることでベチャベチャした状態に戻りますが、こねているうちにツヤが出てくるので安心して続けていってください。
生地の状態にもよりますが、5~10分もこねるとツルッとした状態になってきます。あとはグルテンチェックして問題なければ1次発酵に進みましょう。
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手順5.1次発酵【30℃で50分】
パン生地をボウルに移してラップをかけたら1次発酵させます。
以下の室温と時間で『2~2.5倍に膨らむまで』が目安です。
1次発酵の目安
28~30℃で50分
手順6.作業台にパン生地を広げて5分割する
1次発酵が終わったら、パン生地をボウルから出して作業台に戻します。
まずは手のひらで軽く押してガス抜きをしながら円形に広げます。続いてカードやスケッパーを用いて5個に分割しましょう。
なるべく大きさを均一にしたいので、デジタルスケールを使いグラムを揃えることをおすすめします。
分割し終わったら写真のように丸めて、濡れ布巾をかけて10分休ませましょう。(ベンチタイム)
手順7.半径15cm程度の円形に伸ばす
ベンチタイムが終わったら、パン生地を手のひらで平たくつぶします。
めん棒を使って、直径15cmを目標に伸ばしていきましょう。
手順8.具材を乗せて包み込む
平たく伸ばしたパン生地の下半分に具材を乗せます。量はスプーン2杯ほどが良いですね。
続いてパン生地の上半分を具材に重ねるようにかぶせてあげます。少しマチ(余り)を作って閉じやすくしてあげるのがポイントですよ。
最後に具材がはみ出さないようにしっかりとつまんで閉じれば成形完了です!
手順9.2次発酵【40℃で50分】
成形したパン生地をオーブン用の天板の上に乗せて2次発酵を開始しましょう。
発酵温度は40℃で『1.5~2倍に膨らむ』くらいが目安です。
2次発酵の目安
40℃で50分(オーブンの発酵機能を使う)
手順10.焼く直前に生地の表面に卵液を塗る
2次発酵直後にオーブンの予熱を開始(設定温度は200℃)
予熱完了後、表面に照りをつけるために溶き卵を刷毛(はけ)で薄く塗ります。
※塗らなくても味自体は変わらないので面倒な人は省いて構いません!
手順11.パン生地をオーブンで焼く【200℃で12分】
パン生地をオーブンに戻して『200℃で12分』焼きます。※ご家庭のオーブン性能で変わるので、焦げないように温度を適宜調整ください。
焼き終わったら、ステンレスクーラーで冷まして完成です!
焼きピロシキ:味の感想
卵液を塗ったことでツヤツヤになりましたね。日本で見かけるピロシキは揚げるスタイルが多いので、見た目のギャップに驚くかもしれませんが、包む具材はほぼ同じですよー。
中を割ってみるとたっぷりと具材が詰まってます。ゆで卵がゴロゴロ入っていて美味しそう!
挽き肉が入っているので、肉汁がじゅわっと染み出てきます!濃いめの味付けがふわふわのパンと相性バツグンでした。
もう少しパン生地は薄くてもよかったかもしれませんが、具材がはみ出てしまうと台無しですからね。
このあたりは包み方を微調整しながら理想に近づけていくようにしましょう。
食べきれない時の保存方法は?
惣菜パンですので、なるべく当日中に食べきることをおすすめします。
当日中に食べきれない分はアルミホイルにとジップロックに包んで冷凍保存しましょう。余裕で1ヶ月以上保ちますよ。
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こんなアレンジはいかが?
アレンジ例
- 具材を変えてみる(春雨・じゃがいも・キャベツもイイ)
- ピザ用チーズをトッピングして焼く
アレンジとしてピザ用チーズをかけて焼いたバージョンも作ってみました。
ソース味の具材と相性抜群!
また、揚げバージョンも試したい人は『手順9』まで終わったら、油で揚げれば作れますよ。
焼きピロシキ:作り方まとめ
焼きピロシキの作り方を最後におさらいしましょう。
手順まとめ
- 手順1.ボウルで材料を混ぜ合わせる
- 手順2.水を加えてまとまるまでパン生地をこねる
- 手順3.作業台で10分程度こねる
- 手順4.バターを加えてさらにこねる
- 手順5.1次発酵【30℃で50分】
- 手順6.作業台にパン生地を広げて5分割する
- 手順7.半径15cm程度の円形に伸ばす
- 手順8.具材を乗せて包み込む
- 手順9.2次発酵【40℃で50分】
- 手順10.焼く直前に生地の表面に卵液を塗る
- 手順11.パン生地をオーブンで焼く【200℃で12分】
具材がはみ出さないように気をつけて包めれば、失敗しにくいレシピです。
ぜひ、ご家庭でパン作りをする時にお試しください。
それでは、楽しいパンLIFEを!!