この記事は「未経験だけど、パン作りに挑戦してみたい」というあなたに向けて【初心者におすすめの丸パンの作り方】をレクチャーしていきます。
丸パンとは
丸くて小さいパンの総称。
使う材料が少なく、成形も簡単なので、初心者は丸パン作りから入ることがおすすめです。
また、材料の配合によって、ふわふわしたパンやバリっとしたパンなど色々なバリエーションで楽しむことが出来ます。慣れてきたら、他のレシピサイトを参考にアレンジしてみて下さい。
完成イメージ
作り方を教えるといっても、材料の配合はクックパッドや色々なレシピサイトに掲載されているものと、さほど変わりません。
その代わり、少しでもわかりやすくするためにパン作りで初心者が気を付けるべきポイントや、失敗しないコツを僕の経験を参考に載せています。
各工程を細かくまとめているので、疑問点を解決しながら手順を確認することができるはずです。
ぜひ、パン作りの基本を覚えるために丸パン作りに挑戦してみて下さい。
丸パン作りに必要な道具は9点
アイテムリスト
・ボウル(大・中 各1個)
・計量カップ
・ミニ泡立て器
・スケール
・カード
・オーブンミトン
・ステンレスクーラー
・オーブンレンジ
・作業台
道具についておさらいしたい人は、以下の記事をご覧下さい。
詳細はこちら
丸パンの材料
丸パンは非常にシンプルなパンなので、材料は5種類だけ揃えれば作れます。
丸パン材料(10個分)
強力粉 | 250g |
塩 | 4g |
砂糖 | 10g |
インスタントドライイースト | 3g |
水(30~35℃のぬるま湯) | 175ml |
ポイント
すべての材料をスケールを使って、きっちり量って下さい。
絶対に目分量はダメです。
パンはフライパンや鍋で作る料理と違って後から分量の微調整が出来ません。1グラム単位まできっちり揃えるようにして下さい。
最初は面倒に感じますが、これが出来ないと毎回安定したパン作りはできません。とにかく慣れましょう。
ふくとも流!簡単な丸パンの作り方【全15工程:180分】
丸パン作りの手順は以下の通りです。
丸パンの作り方(約180分)
- 手順1.強力粉に水以外の材料を合わせる
- 手順2.材料を混ぜ合わせる
- 手順3.水を加えたら、パン生地を手でこねる
- 手順4.パン生地がまとまってきたら、作業台に移す
- 手順5.パン生地を作業台に、こすりつけるようにしてこねる
- 手順6.パン生地を持ち上げて作業台に叩きつける
- 手順7.こねあがりの確認【グルテンチェック】
- 手順8.パン生地を丸めてボウルに戻す
- 手順9.1次発酵開始【25~28℃で50分】
- 手順10.発酵具合を確認しよう
- 手順11.ガス抜きしてから、10等分に切り分ける
- 手順12.パン生地を丸める
- 手順13.パン生地を休ませよう
- 手順14.2次発酵開始【40℃で40分】
- 手順15.パン生地をオーブンで焼く【180℃で10分】
手順1.強力粉に水以外の材料を合わせる
混ぜる時の注意点ですが、インスタントドライイーストと塩を接触させないように気を付けて下さい。
理由は塩は水分を吸い取る性質がある(浸透圧と言います)ため、イースト菌が長時間直接触れてしまうと弱ってしまうからです。
手順2.材料を混ぜ合わせる
ミニ泡立て器を使って、粉をひとつにまとめましょう。とにかくスピードが大事です。
塩とイースト菌が直接触れる時間を減らしたいので、急いで混ぜ合わせたら次の工程に進んで下さい。
手順3.水を加えたら、パン生地を手でこねる
水(ぬるま湯)を【手順2】で混ぜ合わせた粉類の入っているボウルに混ぜて下さい。
この時、一度にすべての水を加えるのではなくて1割程度入れずに残しておくのがポイントです。
混ぜ合わせたら、素手で直接ボウルの中の粉と水がひとまとまりになるように、こねて下さい。
ポイント
10回くらいこねると生地がまとまりだしますが、ボウルの底に少し粉が残るかと思います。
ここに先ほど残しておいた1割の水を加えて粉っぽさを無くすようにしましょう。
手順4.パン生地がまとまってきたら、作業台に移す
続いてパン生地を作業台に移していきます。
ボウルの底にパン生地がくっつくかと思いますが、カードを使ってしっかり取るようにして下さい。
手順5.パン生地を作業台に、こすりつけるようにしてこねる
なるべく手の甲を使って、作業台の奥に向かって手を滑らせるイメージで動かして下さい。次に奥から手前に戻すように作業台にパン生地をこすりつけていきましょう。
この繰り返しでパン生地をこねていけば、グルテン膜を形成させることができます。
慣れないうちはパン生地のベタベタが気になってしまうので、片手はフリーにしておいて、カードで指や手についたパン生地をはがしながら進めるとやりやすいです。
生地のまとめるコツはこちらの記事に詳しくまとめています。ベタベタが解消されなくて困った時はご覧ください。
-
パン生地のベタつきを改善したい!【3つの具体策を教えます】
続きを見る
手順6.生地がまとまってきたら、持ち上げて作業台に叩きつけるべし!
パン生地がまとまってくると、写真のように両手で持ち上げられるようになってきます。
パン生地を持ち上げられるような状態になったら、次の工程【パン生地のたたきこね】に進みます。
たたきこねの流れについて少し補足します。以下の写真と手順の番号を比較しながらご覧下さい。
たたきこねの手順
たたきこね①:
左手を滑らすように側面から差し込み、パン生地をつかむ要領で持ち上げて下さい。この時、パン生地がブチブチ切れるようならこね不足。作業台で5分こね直すようにしましょう。
たたきこね②:
パン生地の持ち上げた箇所が自分の前に来るように手首を返して下さい。この時にパン生地に中指と薬指だけで軽く引っかけるように持っておいて下さい。少し持ちづらいようであれば、人差し指も引っかけてOKです。
たたきこね③:
手首のスナップをきかせて、パン生地の表面(上側)を作業台にたたきつけて下さい。たたきつけるといっても、力はあまり入れずに遠心力でパン生地を伸ばすイメージで行って下さい。
たたきこね④:
最後にパン生地の手前を両手で持ち上げて、包み込むイメージで奥にかぶせて下さい。
あとは①に戻って繰り返し!
目安時間として約15分。結構疲れますが、両腕の運動だと思って楽しみながらやりましょう。
手順7.こねあがりの確認!グルテンチェックをしよう
上手くたたきこねができていると、最初はベタベタしていたパン生地が次第にまとまってきます。表面が張ってツルツルしてきたらグルテンチェックをして状態を確認しましょう。
グルテンチェックのやり方【3STEP】
グルテンチェックとは?
パン生地がこねあがってくると、グルテンと呼ばれる膜が形成されてきます。
グルテンはパンが発酵する時に発生する炭酸ガスをキャッチする役割がありますので、しっかり膜が出来ているか確認する作業がとても重要となります。
このグルテン膜の状態を確認する作業を【グルテンチェック】と呼びます。
1.パン生地の端をカードを使って切り取る
この時のカードの使い方としては、カードを横にスライドさせずに縦にスパッ!と切るイメージで行って下さい。
カードを包丁のように横にスライドさせて切るのはNGです。パン生地の断面を傷つけてしまい、発酵しづらくなってしまうためです。
2.両手の指を使ってパン生地を平たく伸ばす
パン生地を横に引っ張ると切れてしまうので、親指と人差し指を使ってパン生地をグリグリこするイメージで伸ばしていって下さい。
この時に生地の真ん中が破れてしまう場合はこね不足です。追加で5分くらいこね直して下さい。
3.グルテン膜の状態を確認する
パン生地を薄く伸ばして後ろから指を当ててみた時に、当てた指が透けて見えるくらいになっていたら、グルテン膜が出来ている証拠です。
慣れないうちはパン生地に対して均一にグルテン膜を形成させるのが難しいです。
本来はパン生地全体をツルツルした状態にしておく必要がありますが、ある程度グルテン膜が出来ていれば膨らまないことは無いので、最初は神経質にならずに生地が切れずに繋がっていることを確認して次の工程に進みましょう。
手順8.丸めてボウルに戻す
両の手のひらを使ってパン生地を丸く成形していきましょう。
丸くするコツは、作業台に手を添えてパン生地を横にスライドさせるイメージです。
この時に力はほとんど加える必要はありません。赤ちゃんのほっぺたをなでるくらい優しく回しましょう。
↓ グルグルしていると…
このくらい丸くてツルツルしてきます(このつや感が・・・LOVE!!)
手順9.1次発酵開始【25~28℃で50分】
丸めたらパン生地をボウルに戻しましょう。ラップをかけたら一次発酵スタートです。
レシピ本には、大体1次発酵の時間が載っていますが、あくまで目安でしかありません。何故なら、その日の気温やパン生地のこね具合・内部温度によって発酵の進み方に差が出るからです。
大体以下の室温と時間を目安に発酵を行ってみて下さい。
1次発酵の目安
室温25~28℃で50分(1.5~2倍の大きさに膨らんだら終了)
待ち時間は読書やテレビを観るなどして一息つきましょう。お疲れさまでした。
手順10.発酵具合を確認しよう
1次発酵の終了目安は【生地の大きさが1.5倍~2倍】に膨らんだら完了です。
膨らみ具合を確認する方法として【フィンガーテスト】を用います。
フィンガーテストのやり方
・ボウルのラップを外す
・人差し指に強力粉を付けて、パン生地の真ん中に人差し指の第1関節くらいまで差し込む
・指を抜いてから、しばらくパン生地の穴がふさがらなければ発酵完了
↓ 約30秒後に穴がふさがらなければ1次発酵完了!
最初は上手に膨らまない事もあります。僕もそうでした。多少膨らみが弱くても食べることはできるので、気を落とさなくても大丈夫ですよ。
発酵がうまくいかなくて悩んだ時は、以下の記事をご覧ください。
-
【発酵不足を解消】パンが膨らまないシンプルな原因と対処方法はコレ!
続きを見る
手順11.ガス抜きしてから、10等分に切り分ける
発酵させたパン生地を再び、作業台に戻します。
戻す時にパン生地を無理やり引っ張らずに、カードを使ってかき出すよう行って下さい。また、作業台にパン生地を広げる際は表面が作業台の下にくるように広げて下さい。
パン生地を作業台に広げたら、発酵時に中にたまったガスを抜く必要があります。ここでしっかりガス抜きをしないと、焼く時に膨らみ方にムラが出来てしまいます。
指先を使って生地の中心から外側に向かって軽く押さえるイメージでガスを抜いていきましょう。
ガス抜きが終わったら、パン生地の分割に入ります。
今回は丸パン10個のレシピなので、当然ですがパン生地を10等分にします。
カードを使ってパン生地を切っていきましょう。切り方はピザを切るように放射状に分けて下さい。
カードを横にスライドさせるとパン生地を傷めるので、グルテンチェックの時と同様に縦にスパッ!と切るイメージで切って下さいね。
また、分割後の大きさを揃えておきたいので、スケールで重さが均一になるように量って欲しいのですが、初心者のうちは大体合っていれば良いと思います。
手順12.パン生地を丸める
パン生地を丸める手順
1.パン生地を閉じて丸く成形する
2.作業台に丸くしたパン生地を置いて、片手で包み込むようにコロコロ転がす
3.きっちり丸くならなくても良い
力を入れずに手首から動かすようにするのが上手に丸めるコツです。後ほど丸め直すタイミングがあるので、ここでは多少粗い円形になっていれば良いです。
手順13.パン生地を休ませよう【ベンチタイム10分】
パン生地を切って成形した直後は、生地全体が少し締まって硬くなっています。硬いままだと、パン生地があまり膨らんでくれないので、少し休ませましょう。
ラップをかけて10分放置するだけです。この工程をベンチタイムと呼びます。
手順14.2次発酵開始【40℃で40分】
ベンチタイムが終わったら、【手順12】と同じやり方で、もう一度パン生地を丸く整えましょう。以前に比べると少しパン生地がゆるんでいるので、扱いやすくなっているのを実感できるかもしれません。
生地を丸め直したら、オーブンシートを敷いた天板にパン生地を並べて下さい。
一度にオーブンに入りきらない分は、乾燥しないようにラップをして置いておきましょう。(後で焼けば良いです)
2次発酵には、オーブンの発酵機能を使います。設定は以下の通りです。
2次発酵の目安
40℃で40分(膨らみ具合は気にしない!)
1次発酵よりも温度は高くなっていますが、発酵時間は少し短めに設定しています。
温度設定を間違えなければ、大体1.5倍くらいに膨らむかと思います。
手順15.パン生地をオーブンで焼く【180℃で10分】
まず最初にオーブンの予熱を行いましょう。
2次発酵させたパン生地をオーブンから一度取り出したら、乾燥しないようにラップをかけておきましょう。
予熱する際の設定温度は【180℃で10分】です。
ポイント
家庭用の電気オーブンって思っている以上に予熱に時間がかかります。(我が家は15分くらい)予熱を待つ間も発酵は進んでしまうので、事前に自宅のオーブンの予熱時間がどれくらいか確認しておくことをおすすめします。
予熱が完了したら、粉振り器(又は、茶こし)を使ってパン生地の表面に強力粉を振って下さい。
粉を振る理由は少し焦げにくくなるのと、見た目が良く(オシャレに)なるからです。
オーブンに入れて【180℃で10分】焼けば完成です!
焼き上がり直後は熱すぎて食べられないので、ステンレスクーラーに乗せて10分程度冷ましましょう。
焼きたてはびっくりするくらい美味しいので、ぜひ感動を味わって下さい!
簡単な丸パンに挑戦して、パン作りの楽しさを知って下さい!
丸パンはパン作り初心者が入門用に挑戦するのに最適なパンです。
今回紹介した基本の流れをしっかり覚えておけば、ほとんどのパン作りに応用させることが出来ますよ。
是非、手順を確認しながら丸パンを作ってみて下さいね(^^)
こちらのレシピも初心者におすすめです。
それでは、楽しいパンLIFEを!