パンのレシピ

どっしり大きい!自家培養酵母で作るカンパーニュのレシピ

当記事では、レーズン酵母を使ったカンパーニュの作り方を解説しています。

こんな方におすすめの記事

  • レーズン酵母を使ったパンのレシピを知りたい
  • どっしりと大きいパンを豪快に焼きたい
  • カンパーニュを作るコツを知りたい

上記の方におすすめです。

 

完成イメージはこちら

カンパーニュ

大きさはサッカーボールくらいあって、ボリューム満点です。食べごたえ半端ないですよ。

なお、当記事で紹介するパンには発酵種として「レーズン酵母の中種」を使用しています。
作り方は以前の記事に詳しくまとめていますので、まずはこちらをご覧になって下さい。

今回ご紹介するレシピは、長時間低温発酵(オーバーナイト)というパン生地を熟成させる作業を行うので、完成まで時間がかかります。

長時間低温発酵の工程

  • 1日目:材料の配合、1次発酵、長時間低温発酵
  • 2日目:成形、2次発酵、焼成

発酵が終わるまでじっくり待つのがもどかしいですが、メリットとして小麦の熟成された旨みと甘みを引き出したパンを作ることができるので頑張ってみてください。

プロのパン職人さんも利用する製法なのでかなり本格派。完成した時の喜びは「45階建てのビルを、階段で登りきった時」に相当するかもです。

パン生地がゆっくり育つ幸せを感じつつ、たまの休日にのんびり作ってみてはいかがでしょうか。

カンパーニュってどんなパン?

カンパーニュはフランス発祥のパンで、正式名称を「パン・ド・カンパーニュ」といいます。

直訳すると「田舎風のパン」という意味。名前の由来は田舎のばあちゃんが考えたパンだからではなくて、素朴が味わいが「故郷を思い出すわぁ…」って気持ちにさせてくれるからだそうです。

パン・ド・カンパーニュをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧下さい。

 

カンパーニュ作りに必要な道具

カンパーニュ作りには、「発酵かご」というちょっと特殊な道具が必要となります。

アイテムリスト

・ボウル(大・小:各1個)

・計量カップ

・ミニ泡立て器

・デジタルスケール

・ゴムベラ

カード(スケッパー)

作業台(ペストリーボード)

・発酵かご

・クープナイフ

発酵機能付きのオーブンレンジ

発酵かごって何?

発酵かごは、籐(とう)という木で作られている木製のかごを指します。
カンパーニュのような大きくてボリュームあるパンを発酵させる時って、重さに耐えられずにどうしても横に広がっちゃうんですよね。発酵かごを使えば、かごに沿って膨らんでいくので、パン生地に高さを持たせることができます。

使い方は食パンの金型に近いですが、こちらは発酵する時だけ使います。そのまま焼いたら燃えるのでダメですよ(笑)

 

ふくとも
極論を言ってしまうと「発酵かご」が無くてもカンパーニュは作れますが、キレイな形に仕上げるためには必須かなと思ってます。

発酵かごの形は「丸型」と「小判型」が主流。僕は丸型を使ってますが、好みで選んでしまって大丈夫です!

 

パン作りの道具をもう少し理解したいという方は、以下の記事も合わせてご覧下さい。

カンパーニュの材料

カンパーニュの材料は以下の通りです。
今回は作りやすさを重視するために「砂糖」を加えたりと自己流でアレンジしてます。

カンパーニュの材料(1個)

準強力粉 180g
ライ麦粉 20g
塩  3.6g
砂糖 10g
レーズン中種 40g
水(35~38℃のぬるま湯) 140ml

準強力粉やライ麦粉が買えるお店が近くにない!って人は「富澤商店」か「コッタ」など製パン材料専門の通販サイトが便利。地方住まいだと、お店探すだけで苦労するから助かります。

工夫したポイント

・砂糖を加えて発酵力しやすくする

・水の量を減らして扱いやすくした

・ライ麦粉で酸味をプラス

 

カンパーニュの作り方【全10工程】

カンパーニュ作りは全10工程。発酵時間込みだと【約22時間】かかります。やばっ!

とはいえ、発酵中は「ほったらかし」で良いので、気長に待つ時間がほとんど。手を動かすのは【40分くらい】なので、ご安心あれ。

カンパーニュの作り方

  • 手順1.塩以外の材料を混ぜ合わせる
  • 手順2.30分休ませたら、塩を加えてこねる
  • 手順3.30分休ませて、パンチする【合計2回】
  • 手順4.1次発酵【30℃で4~6時間】
  • 手順5.冷蔵庫でオーバーナイト【6~12時間】※ここまで1日目
  • 手順6.作業台に出して、ベンチタイム【30分】
  • 手順7.パン生地を丸く成形する
  • 手順8.発酵かごに入れて2次発酵【40℃で60分】
  • 手順9.パン生地をシートに出して、クープを入れる
  • 手順10.オーブンで焼く【250℃で19分】

 

手順1.塩以外の材料を混ぜ合わせる

ボウルに準強力粉、ライ麦粉、砂糖、レーズン中種、水(デジタルスケールでしっかり量ること)を加えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜましょう。

混ぜ終わったら、【30分】ほど乾燥防止用にラップをかけて休ませます。

パン生地をいったん休ませると、粉に水分が馴染んでしっとりしたパンに仕上げることができるんですよ。これをパン用語で「オートリーズ」と呼びます。

ワンポイント

オートリーズする時は原則塩を先に加えてはいけません!

塩にはパン生地を引き締める効果があるんですが、先に入れてしまうとパン生地が硬い仕上がりになってしまいます。カンパーニュはゆるい生地に仕上げたいので、後入れするようにしましょう。

ぱんの材料を混ぜる

パン生地の材料を混ぜる

パン生地を休ませる

手順2.30分休ませたら、塩を加えてこねる

オートリーズが終わったら、塩を加えてざっくりゴムベラでこねていきましょう。

大体30回を目安に混ぜ合わせたらオッケー。もう一度ラップをかけて【30分】休ませましょう。

ゴムベラでパン生地をこねる

 

手順3.30分休ませて、パンチする【合計2回】

やることは【手順2】と変わりませんが、今回は上下左右1周(4回)ボウルの下からすくい上げるように混ぜるだけです。

すくい上げるようにこねることで、発酵時にできた表面の大きな気泡が潰れてくれます。(均一に発酵するようになる)

混ぜ終わったら、さらに【30分】休ませます。これを2回繰り返して下さい。

ふくとも
つまり1時間休ませるってことですね。

ゴムベラでパン生地をこねる

 

手順4.1次発酵【30℃で4~6時間】

【手順3】の作業が2回終わったら、1次発酵をしていきます。

オーブンの発酵機能を使っても良いですし、冬場以外は室温に置いておくだけでも構いませんよ。

1次発酵の目安

30℃で4~6時間(1.5倍くらいに膨らむまで)

発酵中のパン生地

少しだけボコボコしてるが、膨らみが弱い

 

手順5.冷蔵庫でオーバーナイト【6~12時間】

1次発酵が終わったら、冷蔵庫に入れて「低温発酵」をしていきます。

発酵時間の目安は【6~12時間】です。
もっと長くても大丈夫ですが、パン生地の乾燥にだけは気をつけるようにしましょう。

ふくとも
深く考えずに【翌日に作業再開】くらいな気持ちでいきましょう!

 

オーバーナイト後のパン生地

オーバーナイト後のパン生地

1日目おつかれさまでした!

 

手順6.作業台に出して、ベンチタイム【30分】

オーバーナイトが終わったら作業再開です。

まず最初に行うことは冷え切ったパン生地が常温に戻してあげることですね。冷蔵庫から出して、2~3時間ほど室温に置いておきましょう。

作業台に打ち粉をしたら、ボウルからパン生地を取り出します。カンパーニュの生地はねっとりした粘りがあってボウルから取り出しにくいです。

そんな時は、生地の表面にも打ち粉を振ってからカードで隙間を作ってあげて、ボウルをひっくり返せばスルッと抜けますよ。お試しあれ。

ベンチ前に生地を上下左右1/3ずつ折りたたみます。写真にコメントを付けていますので、そちらを見ながら確認してくださいね。

ペストリーボードに小麦粉を振る

パン生地が張り付かないように打ち粉します

ボウルに入ったパン生地

パン生地の端にも打ち粉しておくと剥がしやすい

ベンチタイム前のパン生地

丸くなったらベンチタイム

 

手順7.パン生地を丸く成形する

ベンチタイムが終わったら、形を丸く整える作業を行います。

手順は以下の通りです。

  1. 生地を裏返す(逆さまにする)
  2. 奥上1/3を折りたたむ
  3. 手前1/3を折りたたんで重ねる
  4. 右1/3を折りたたむ
  5. 左1/3を折りたたんで重ねる

少しずつ折りたたでいくことで、丸い形になっていきます。

パン生地の成形

パン生地の成形

パン生地の成形

上下もやり方は同じです

 

手順8.発酵かごに入れて2次発酵【40℃で60分】

発酵かごにカンパーニュ生地をいれて、2次発酵していきます。

発酵かごを使う上での注意点として、生地が張り付かないように「強力粉をたっぷり振っておく」ことがポイントです。そうしないと発酵後に生地がかごから剥がれなくて形が崩れます。

僕は強力粉の量が少なくて3回ほど張り付いてぐちゃぐちゃになりました…ここで失敗するとマジでヘコむので、お気をつけください。

2次発酵の目安

40℃で60分(2倍くらいに膨らむまで)

発酵かごに小麦粉を振る

強力粉は「多いかな」くらいがちょうど良いです

2次発酵前の生地

ボウルに入れたら軽く手で押してあげましょう

2次発酵後の生地

2次発酵後の生地がこちら

 

手順9.パン生地をシートに出して、クープを入れる

2次発酵が終わったら、オーブンの予熱を開始しておきましょう。

僕は【250℃ 19分】にしていますが、高性能オーブンをお持ちの方は【280℃ 19分】が良いかもです。最初は高温で焼き始めた法がクープ(切れ込み)がキレイに開くからです。

なお、カンパーニュ生地を発酵かごから出すタイミングは、予熱が終わるギリギリで良いです。早く出しすぎるとオーブンが温まるまでの待ち時間で、形が崩れてしまうのでご注意を。

予熱が終わるタイミングで、オーブンシートに打ち粉をしてカンパーニュ生地を出したら、クープナイフか包丁で十字の切れ込みをいれます。

カンパーニュは生地が大きいので、深めに入れた方が見た目はよくなります。思い切っていきましょう。

オーブンシートに小麦粉を振る

オーブンシートに打ち粉しましょう

カンパーニュの生地

カンパーニュ生地にクープを入れる

深めに切って大丈夫です。(1cmくらい?)

 

手順10.オーブンで焼く【250℃で19分】

オーブンで焼く前の最後のポイント!

それは、カンパーニュ生地とオーブンシートに霧吹きで水をたっぷりとかけることです。

バゲットなどのフランスパンを作る時に使われる手法ですが、水を表面にかけておくことで、オーブン内で水分が蒸発して表面がパリッと仕上がります。また、クープが開きやすくなるといったメリットもあります。

カンパーニュ生地は大きいので、オーブン内で焦がさないように焼け具合を逐次見守るようにしましょう。焦げそうになった時は、アルミホイルを被せるか温度を【190℃】くらいまで下げると良いでしょう。

パン生地に霧吹きで水をかける

焼き上がったカンパーニュ

焼き上がったカンパーニュがこちら!

半分に切ったカンパーニュ

時間をかけて発酵させたので、中がみずみずしい

 

カンパーニュを実食

切ったカンパーニュ

パンが全体的にもっちりとしており、噛みごたえがあります。このもっちり感は、レーズ酵母を使ってじっくり発酵させたからこその味わいですね。

ライ麦粉を加えているので、ほんのりと酸味があるのもアクセントになっていて良い感じ。

イーストちゃん
味わいにクセがないから料理に合わせやすいわね。
保水性が高いので、翌日以降もおいしく食べられましたよ。
ふくとも

なお、本格的なカンパーニュは「ルヴァン種」と呼ばれる酵母を使ったりします。使う酵母で味わいや風味が変わってくるので、色々試してみたくなりますね。

まとめ:カンパーニュ作りは時間かかるけど楽しい

パン作りの上達を感じた人

カンパーニュ作りは酵母作りから必要なので完成まで時間がかかりますが、お店のようなパンが作れて最高です。

時間がかかるとはいえ、待ってる時間がほとんどなので、拘束されて辛いみたいなことにはなりませんよ。

僕も今までイーストを使ったパン作りしかしたことがなかったのですが、レーズン酵母でパンを作る楽しさに目覚めちゃいましたね。

もし、挑戦したい気持ちになったら、レーズン酵母の作り方も含めて解説記事を書きましたので、参考にしてみてください。

それでは、楽しいパンLIFEを!!

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