当記事では、「パン作りってどのくらい時間がかかるの?」という疑問についてお話します。
悩み事
- パン作りは時間がかかるって聞いたけど本当?
- 早く作る方法って無いの?
- 長時間確保できない私にはパン作りは難しいですか?
上記の疑問にお答えします。
ただし、食パンやバターロールなんかは無理。
結論からいうと、パン作りの時間は製法ごとにバラつきがあるにしても「大体2~4時間」かかります。長いよ!って思うかもしれませんが、こればっかりはどうしようもないので時間を確保するしかないんですよね。
ただし、発酵を早めたり作業を2日に分けるなど工夫はできますよ。
当記事ではパン作りに時間がかかる理由や、独学で3年パン作りを続けてきた僕からちょっとした時短テクニックなんかをお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
パン作りは残念ながら時間がかかる【理由は3つ】
冒頭でも述べていますが、大体2~4時間です。
「パンの教科書ビギナーズ」という本のレシピを例に、いくつかご紹介します。
- バターロール:160分(2時間40分)
- 山型食パン:190分(3時間10分)
- ナン:110分(1時間50分)
長いですよね。なお、手順に沿ってスムーズに作れた場合なので、初心者の方は+20分くらいかかると思った方が良いかもです。
ちなみにナンだけ少し短めなのですが、理由はわかりますか?
答えは「パン生地の発酵を1回しか行わない」からです。この発酵という工程があるからパン作りは時間がかかると言っても過言ではありません。
他にも理由がいくつかありますので、以下にまとめますね。
パン作りの時間がかかる理由
・パン生地の発酵に時間がかかる
・途中で作業中断しにくい
・じっくり焼く必要がある
上記の理由はパン作りにおいて切っても切れない関係。例えば、焼く時間を短くすれば生焼けになりますし、高温にしちゃうと焦げます。このあたりはオーブンで作る料理と一緒ですよね。
こうしてみると、パン作りって時間がかかって面倒って思うかもですが、時間かかる分だけ完成した時の喜びは大きいと言えます。
僕も3年ほどパンを自宅で焼いていますが、未だにキレイにパンが作れた時はにっこりしちゃいますね。
僕にとってはパン作りは癒やしの時間なので、無駄だと思ったことは一度もありません。むしろ満足感しかないです。
理由1:発酵が必要
パンとは「発酵食品」です。
ヨーグルトは「乳酸菌」、納豆は「納豆菌」で発酵するのと同様に、パンは「パン酵母」の力で発酵させます。
残念ながら「パン酵母」は焼いた時に熱くて死滅してしまうので、生きて腸まで届くなんてことはないんですが、パンそのものに以下の作用を与えてくれるんですよ。
パン酵母がもたらす効果
・熟成させて旨味を与える
・ふっくら膨らませる
なお、世の中にはチャパティやパラタといった無発酵のパンも存在します。
このようなパンは平たく硬い仕上がりでそのまま食べてもボソボソしてあまり美味しくないので、肉や野菜を挟んだり、カレーをつけて食べることが多いですね。逆に発酵させて作るパンはふわっとした食感で食べやすく仕上がります。
発酵には「1次発酵」と「最終発酵」という2つの工程があって、作るパンにもよりますが「1次発酵が60分、最終発酵は20~60分くらい」です。
そう考えると、パン作りの半分以上は発酵させる時間だったりするんですよね。
発酵には適正温度と湿度があります。
無理に高い温度で発酵させれば確かに早く膨らむかもですが、熟成が思うように進まなかったり、発酵しすぎて生地がブヨブヨになる可能性が高いのであまりオススメしません。
最近では、レンジ発酵という時短ワザを使うレシピもあります。詳しくは後ほど解説していきますね。
理由2:途中で中断しにくい
例えば、野菜炒めの場合、お昼過ぎに野菜を切って準備しておけば夕方に炒めるといったように調理工程を分けることができますよね。
パン作りはパン生地をこね始めてしまったら、手順に沿って最後まで進めていくしかありません。
確かに時間はかかりますが、発酵中は放置でOKなので終わるまでは別のことができますし、実は「長期低温発酵」という方法を実践すれば中断できちゃいます。
詳しくは記事後半で解説します。
理由3:じっくり焼く必要がある
パンを焼く時間は平均して12~30分かかります。
オーブンレンジでじっくり火入れをするので、仕方ないことなのですが、さっとフライパンで炒めるような料理とは訳が違いますよね。
一瞬で焦げちゃいますよ!
僕は焼いてる時は2分に1回ペースでオーブンの状態を見て、温度や焼け具合をチェックしています。ここで失敗するとマジで切なくて泣けますからね…。
時間がかかるパン&短時間で作れるパンは何?
パンは材料や製法によって発酵時間にバラつきがあることをご存知ですか。
ざっくりですが、一覧化してみましたのでご覧ください。
時間がかかるパン
- バゲットやバタール:糖分が少ないので発酵に時間がかかる
- 天然酵母のパン:天然酵母は発酵力が弱いため
- 食パン:膨らませるために長時間こねる必要あり
短時間で作れるパン
- 無発酵パン:発酵時間がいらない
- フォカッチャ:2次発酵短めでよい
- 丸パン:作業工程が少ない
参考までに作りやすい丸パンのレシピをご覧ください。
-
【超簡単】初めてでも失敗しない丸パンのレシピ
続きを見る
上記のレシピでも作る手順は長めに感じるかもですが、食パンやバゲットはもっと大変です。
「今日はあまり時間が取れない」「お昼までに是が非でも仕上げたい」なんて時に、うっかり時間のかかる食パンを作り始めてしまった!ってことにならないように気をつけましょう。
手作りパンを早く仕上げる実践テクニック
パン作りで時短するのってかなり難しかったりしますが、いくつか実際に使える簡単なテクニックをお伝えします。
・無発酵で作る
・作りやすい材料を使う
・レンジ発酵させる
・長期低温発酵で作業を2日に分ける
思い付くのは、上記あたりですね。
個人的には長期低温発酵はおすすめです。
無発酵で作る
「無発酵=パン酵母を使わない」という意味です。
具体的に言うと、パン酵母を使わずにそのまま焼くかベーキングパウダーで膨らませてパンを作ります。
発酵時間を全部削ることができるので早ければ30分くらいで作れますが、パンが少し硬めに仕上がり粉っぽさが残ってしまうのが難点ですね。
例えば、ピザ生地やグリッシーニなどカリッとした食感を残したい場合は有効な手段です。
作りやすい材料を使う
パン作りに使う材料が多ければ作業量は当然増えますし、発酵速度が遅くなったりします。
少しでも早くパン作りを終えたいならば使う材料も吟味していくと良いでしょう。
例えば、乳製品を多く使ってしまうと発酵するのが遅くなりますし、バターやショートニングを加えるとパン生地がまとまりにくくなります。覚えておきましょう。
レンジ発酵の手順
電子レンジを使ってパン酵母の発酵を早めて効率化させるやり方です。
方法は簡単。こね終わったパン生地を「電子レンジで30秒加熱させる」だけです。詳しくは以下のレシピ動画を見てもらえるとわかりやすいと思います。
普通に作ると1次発酵と最終発酵で120分必要なんですが、レンジ発酵だと30秒で済んでしまうので、圧倒的に時短できます。
ただし、材料によっては水分が飛んでしまったり、発酵しすぎてブヨブヨになったりするので配合がシビアになってきます。作る際は試行錯誤しつつ挑戦してみてくださいね。
長期低温発酵で1日の作業量を減らそう
プロのパン作りの現場でも使われる製法に「長期低温発酵」というものがあります。簡単に言ってしまうと、パン生地の発酵を冷蔵庫で行うワザですね。
長期低温発酵には以下のようなメリットがあります。
長期低温発酵のメリット
- 焼いた時にパリッと仕上がる
- 翌日まで放置できる
- 都合の良いタイミングで再開できる
長期低温発酵はだいたい8~24時間くらい冷蔵庫にパン生地を入れて発酵させます。そうすることで、焼き上がりがパリッと仕上がるようになるんですよ。
主にバゲットやクロワッサンといったフランスのパン作りで用いる製法で、僕もよく利用しています。
この作り方をするとパン生地を材料混ぜてこねる部分を1日目、発酵後に成形して焼く工程を2日目に分けることができるので、1日あたりのパン作りに費やす時間を減らすことが可能になるんです。
まとめ :パン作りは時間に余裕を持って作ろう
手作りパンは時間がかかるのは事実です。とはいえ、発酵している間は自由時間ですし、工夫次第で短くすることも可能だったりします。
失敗したら時間がもったいないとか思うかもしれませんが、パン作りそのものがやってみると楽しいですし、成功した時の達成感とパンの味が別格すぎて一度味わったらやめられません。
おさらい
・パン作りは発酵に時間がかかる【仕方なし】
・実際は待ってる時間がほとんど
・時間がない時は長期低温発酵をうまく使おう
パンは慌てて作っても仕方のない料理。
ぜひ、スローライフを楽しむ気持ちで、パン生地が膨らんでいく過程をのんびり眺めてみてはいかがでしょうか。
それでは、楽しいパンLIFEを!!