ポイントは塩分量を上手に調整することです。
こんな方におすすめの記事
- パン作りに無塩バターを使う理由を知りたい
- 余っている有塩バターでパンを作りたい
- 有塩バターを使うのはNGなパンってあるの?
2年ほど自宅でパンを焼いていますが、有塩バターだとパンがしょっぱくなるとばかり思い込んでいる時期がありまして、無理して有塩・無塩両方のバターを揃えていました。
使い切れない日も多くどうしたものかと悩んでいましたが、実はそこまで塩分量が多くないことに最近気付いたわけなんです。なんという取り越し苦労。
僕のように家の冷蔵庫に有塩バターが残っているのに、わざわざパン作り用に無塩バターを買うのは正直もったいないです。あまりシビアにならずに塩分量を工夫してパン作りをしていきましょう。
簡単にできる塩分の調整方法と有塩バターが使えないケースについても詳しく解説していきますので、ご覧下さい。
パン作りは無塩バターが一般的だけど、有塩バターでも代用可能
一般論ですが、パンのレシピにバターと一言だけ書かれていたら『無塩バター』だと思って下さい。
それくらいパン作りでは無塩バターを使うのが普通ですが、家に有塩バターが余っているなら少し工夫して代用することは可能です。
無塩バターを使うのが一般的な理由
無塩バターは当然ながら『塩分ゼロ』ですからね。
パンの材料として塩を計量して加えるのに、バターにも塩分が含まれてしまうと単純にしょっぱくなります。
例えば、塩5gとレシピに記載されているとして分量通りの塩5gを加えたのに有塩バターも使ってしまうと塩分量が加算されてしまうことは明白ですよね。
これだけ聞くと「有塩バターって結構塩分が多いんだなぁ」と思うかもしれませんが、調べてみたらシビアに考えるほど塩は入っていませんでした。
有塩バターの塩分量はどのくらい?
雪印北海道バター(有塩)の成分表を確認してみました。
北海道バターの塩の含有量
バター100gあたりに含まれる食塩の量:1.4g
例えば、レシピに【バター = 20g】と記載されていた場合の有塩バターの塩分は『1.4g × 0.2(%) = 0.28g』です。微々たる量ですよね。正直、この差であればよほど味覚が優れていない限りは気付かないと思います。
それでも気になるという人は、材料の塩を計算して減らすと良いでしょう。
参考までに小麦粉250gに対して、塩5g・バター20gと記載されていた場合を例に説明します。
パターン\材料 | 塩(g) | 塩(ベーカーズパーセント) |
無塩バター:20g(塩分:0g)で作った場合 | 5g | 2% |
有塩バター:20g(塩分:0.28g)で作った場合 | 4.72g | 1.888% |
※ベーカーズパーセントとは、小麦粉を100%に含まれる副材料の割合です。詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
ちょっと細かいんですが、大体0.15~0.2%減らせば良いと考えておけば良いです。
デニッシュ系のパンだと有塩バターは使えません
有塩バターが使えない理由は以下の2点です。
有塩バターが使えない理由
1.バターを大量に消費するので塩分調整が難しい
2.パン生地内の塩が減るので生地がまとまらない
残念ながら、大量のバターを消費するタイプのパンだと有塩バターが使えません。デニッシュ系のパンはバターをパン生地に折り込むので、塩分バランスが崩れてしまうんですよね。
理由1:バターを大量に消費するので塩分調整が難しい
クロワッサンやパイ生地を作ったことがある人ならイメージしやすいと思いますが、生地をサクサクに仕上げるためには大量のバターを板状にして生地に折り込む必要があります。
以下の写真のように、パン生地の上に薄く伸ばした無塩バターを重ねて折り込むのが一般的です。
そうです。つまり有塩バターを使ってしまうと『パン生地は塩が足りないけど、バターは塩分が多い』というアンバランスな状態になってしまうわけです。
理由2:パン生地内の塩が減るので生地がまとまらない
パンに塩を加えるのは単純に塩味を付けるだけではなく、以下の5つの役割があります。
塩の役割
- 酵母の活動をゆっくりにする
- パンに味を付ける
- 生地を引き締める
- 殺菌効果をもたらす
- 焼き色がよくなる
塩の役割の詳細は以下の記事に詳しくまとめています。合わせてご覧下さい。
特に『生地を引き締める効果』は重要ですね。有塩バターを使うからといってパン生地に加える塩の分量を極端に減らしてしまうと、どうなると思いますか?
塩はパン生地を引き締めて表面に張りを出す効果があるんですが、塩が少ないと張りが出なくてパンがずっとベタベタした状態になってしまいます。
こうなってしまうと焼き上がりもボリュームが出ないし、ベタッとして美味しくないです。
以上の2つの理由により『デニッシュ系パンに有塩バターは使えない』という結論になります。
目安として、粉類(小麦粉)に対してバターの分量が40%を超える場合は素直に無塩バターを使うようにして下さい。
逆に40%未満なら有塩バターでも微調整すれば有塩バターでも問題無しです。
マル得ワザ:有塩バターから塩分を取り除くことも可能です
そもそも有塩バターから塩分を取り除く事ができれば何も問題ないんですよね。
そこで塩分を除外する方法がないか調べてみたところ、有塩バターを一回溶かして固め直すことで塩分と油分を分離させて取り除くことが可能だと分かりました。
クックパッドで「きょこたん♪」さんが、手順をまとめてくれていますので、ご覧下さい。
バターを再度固め直して味の変化が起きないか心配ではありますが、試してみる価値はありそうですね。近々実践してみます!
まとめ:パンは有塩バターでも作れる!
一部例外はありますが、有塩バターだからパンが作れないということは無いです。
ポイントのおさらい
・有塩バターの塩分は微量なので、普通に使えば良い
・気になる人は材料の塩をひとつまみ程度減らそう
・デニッシュ系のパンは『無塩バター』を使わないと失敗する
バターって平均して冷蔵保存で2ヶ月程度しか持ちません。
有塩・無塩両方買って使い切るのは非常に大変なので、有塩バターしか冷蔵庫に無い状況なら遠慮なくパン作りにも使っていきましょう。
それでは、楽しいパンLIFEを!!