悩み事
- ガス抜きのやり方がよくわからない。本当にやる意味あるのだろうか
- パンチって呼ぶ人がいるけど、生地を殴れば良いの?
- 上手に行うためのポイントとかあれば知りたい
上記の悩みに答えていきます。
当記事でお伝えする内容
- ガス抜きの意味とタイミングを解説
- 上手にパン生地をガス抜きするコツをご紹介
ガス抜きって雰囲気でやっている人多いと思いますが、正しくガスを抜かないと膨らみ具合に差が出るんですよ。慣れないうちは力加減が難しいですが、コツを理解すれば簡単です。ちょっと不安だなという人は、この機会に覚えていただけると幸いです。
パンを2年ほど手作りしている僕が、実際に気をつけている点も交えてお伝えしているので参考になるはずです。
結局はガス抜きを意識しながら繰り返す覚えるしかないですのが、シビアに考える必要無しです。詳しいことは記事内で解説していますので、ご覧下さい。
ガス抜きにはパンの発酵を均一に整える効果がある
ガス抜きをしないで焼いたパンは、デコボコして不格好になりがちです。また、パン生地の膨らみ方にも差が出てきますので、基本知識としてしっかり押さえておくようにしましょう。
注意事項
バゲットやカンパーニュなど一部のハード系パンは、あえてガス抜きをしっかり行わない場合があります。
当記事では、バターロール、食パンなど一般的にガス抜きが必要な場面を想定してまとめていますので、ご理解下さい。
ガス抜きとは、文字通りパン生地内のガスを抜くこと
パン作りにおけるガス抜きとは、発酵時に生地内に溜まった炭酸ガスを一度抜いてあげる行為を指します。専門用語で「パンチ」と呼ぶことがありますが、正確には「ガス抜き」と「パンチ」は異なる行為です。
・パンチ:発酵途中のパン生地の炭酸ガスを抜いて折りたたむ作業
・ガス抜き:パン生地内の炭酸ガスを抜くこと
実は、僕も混同して覚えていました・・・「パンチの手順内にガス抜きが含まれる」のだと、覚えておいて下さい。
当記事では「ガス抜き」に焦点を当てていますが、パンチでガスを抜くのも目的は同じなので、合わせて覚えておくようにして下さいね。
パン生地のガス抜き効果と目的
パン生地は炭酸ガスとアルコールの力で膨らみます。そう考えると炭酸ガスは抜かない方が良さそうに思えますが、一度ガス抜きをすることで炭酸ガスの泡のキメが細かくなり、均一に膨らむようになるんです。
言葉だけだと難しいですよね。
ざっくりですが、絵で表現してみましたので、ご覧下さい。
コラム
なぜ、再発酵時に炭酸ガスの気泡が細かくなるのか?
発酵が始まったばかりの酵母は元気いっぱいで、生地内の糖分を急速吸収するため炭酸ガスの気泡は大きくなります。
ガス抜きをした後は、酵母の発酵具合も穏やかになってきているので、キメの細かい気泡が生まれるというわけです。
最初は大きく膨らませたいので、気泡は大きい方が理想的ですが、そのまま焼くと形が不揃いで生地内にデコボコした気泡跡が残ってしまいます。
バゲットやカンパーニュなど一部のハード系のパンは、気泡がある状態で問題無いのですが、バターロールや食パンの場合、焼くと理想的な形にならないので注意です。
ガス抜きを行うタイミング
ガス抜きは、以下2回のタイミングで行う必要があります。
・1次発酵の直後(パンチが必要な場合のみ)
・生地の成形時
1次発酵の直後(パンチが必要な場合のみ)
パンチが工程として必要な場合は、1次発酵後にパン生地をパンして再発酵させますが、この時にガス抜きが必要です。
上記の写真をよく見ると、ボコボコ細かい泡が出来ています。これが炭酸ガスの気泡です。パンチが必要であれば、このタイミングで作業台に出して、ガス抜きを行う必要があります。
パンチの流れも軽く触れておきます。
パンチ作業の流れ
- 1次発酵後のパン生地を作業台に移す
- パン生地内の炭酸ガスを抜く(ガス抜き)
- 正方形に広げたら、左右上下を折りたたむ
- 再び、ボウルに戻して再発酵させる
詳しくは食パンのレシピ記事でも書く際に、まとめたいと思います。
生地の成形時
丸パンであれば、パン生地を丸くする直前。食パンであれば俵型に伸ばしていく時ですね。成形時にガスを抜かないと2次発酵する際にアンバランスな膨らみ方になるのでご注意を。
参考までに、ご覧下さい。
パン生地のガスを上手に抜くためのコツ
ガス抜きは最初は力加減とか理解しづらいんですが、慣れてしまえばそこまで難しくない工程ですよ。
3つのポイントをご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
ポイント1)中央から外側にガスを抜いていくイメージ
発酵後の丸い状態のパン生地を、手のひらを使ってまず広げましょう。広げる際は、作業台に押し当てながら中央から外側に向かって叩くイメージで行うと、抜き残しが無くなりますよ。
作業台に押し当てて、少しずつ表面に浮かしていってあげましょう。
ポイント2)5割の力で優しく叩く
あまり力を入れて叩くと、パン生地が痛むためです。
僕の感覚ですが、演奏会や講演会で拍手する時くらいの力加減で叩くと理想的かと思いますよ。叩き始めは優しく入ってあげて、気泡が目立つ部分をピンポイントで2~3回叩くと、パン生地表面がキレイに整ってきます。
ポイント3)広げる時に「ガス抜きめん棒」を使う
食パン、コッペパンといった大きめの生地の場合、めん棒を使って広げるのが一般的ですが、ガス抜きもしつつ生地を広げないといけないので、少し面倒だったりします。
そんな時はガス抜きしつつ生地を伸ばせる「ガス抜きめん棒」があると便利です。
僕も一本持っています。今まで生地を伸ばしてからガスを抜いていたのですが、一度にできるので、ちょっとだけ時短できるようになりました。
やってはいけないNG行動
特にパンチ中のガス抜きでやりがちな間違いを、3つご紹介します。
ガス抜きNG行動
・パン生地を横方向に引っ張る:パン生地が痛みます
・指先で気泡をつぶす:表面がデコボコになり、気泡をつぶしきれない
・グーパンチする:論外
くれぐれも力いっぱい叩くのではなく、パン生地をいたわりながら行うようにしましょう。せっかくなら見た目もキレイな美味しいパン焼きたいですよね。
パンチの手順も写真付きで載せてある本も多く、参考になります。
お店でどれを買ったら良いか迷う方のために、初心者に強くおすすめしたい書籍を記事にまとめています。基礎からじっくり学びたい方はどうぞ。
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【初心者応援】パン作りを始めたい人が読む本は2冊だけ【断言する】
続きを見る
まとめ:ガス抜きはパン生地をキレイに膨らませるのに重要!
おさらい
- ガス抜きは炭酸ガスのキメを細かくして、キレイに膨らませる効果がある
- パンチとガス抜きは似ているようで違う
- 拍手をするくらいの力で優しく叩く
- 中央から外側に向かって叩く
オチがダジャレで、すみません。
繰り返しになりますが、ガス抜きは単純ですが大事です。しっかりパン作りの作業工程のひとつと捉えて、手を抜かず行うクセを付けていきましょう。
それでは、楽しいパンLIFEを!!