あなたも僕も日常的に食べている「食パン」ですが、なんだか名前がざっくりしすぎてると感じたことはないでしょうか。
そこで、食パンの正式名称や由来といった素朴な疑問を調査してみました。
食パンに関する疑問
- 食パンって正しい呼び方があるの?
- 正式名称があるなら教えてほしい
- 「食」って付ける理由がわからない
上記の疑問に答えていきます。
先に結論を言ってしまうと「食パン」に正式名称は無くて、そのまま呼ぶのが正解だったのですが、「食パンと呼ばれるようになった理由は諸説ある」ことがわかりました。
記事の内容
・食パンに正式名称は無いという事実
・食パンと呼ぶようになった由来【5つの説とは?】
それぞれの説の紹介をしつつ、最後に諸説ある中でもっとも有力とされる説がどれなのか?をお伝えしていきます。
食パンの正式名称は「食パン」でした
食パンの正式名称は「食パン」。それ以上でも以下でもありません。
もっと長い名前があって略しただけなのでは?と思っていた人には悲しい結果ですが、気にせずにこれからも「食パン」と呼んであげて下さい。
あんこが入っているから「あんパン」、カレーが入っているから「カレーパン」など名前と具材がイメージしやすいのが、日本のパンの特徴となってますが、食パンはまったく不明ですね。見た目から連想するなら「四角パン」とか「長パン」とかなら理解できますが…。
一体、どのような理由で「食」という文字が採用されたのでしょうか。
なぜ、食パンと呼ばれるようになった?【5つの由来を解説】
食パンと呼ばれるようになった理由には、様々な説があります。
現状では、この説が正解だという答えが出ていないようなので、すべての説を順番に紹介していきますね。
食パンの由来
説1:主食用のパンだから
説2:本食パンが略された
説3:酵母に食べられたパンだから
説4:消しパンと区別するため
説5:フライパンと区別するため
説1:主食用のパンだから
食パンが日本で誕生したのは、明治初期(1900年頃)だと言われています。
元となったパンは、イギリス発祥の山型のパン「イギリスパン」。ティンというブリキ製の型で焼かれていたので、別名「ティンブレッド」とも呼ばれています。
最初にイギリスパンを日本で売り始めたのが「ヨコハマベーカリー」の創業者ロバート・クラークさん。横浜に住んでいる外国人駐留者向けに作り始めたのが、キッカケでした。
当時は木村屋の「あんパン」、中村屋の「クリームパン」など甘い菓子パンが日本では人気を博していました。菓子パン全盛という時代背景もあってか、イギリスパンは「甘くない主食用のパン」という扱いから「食パン」と呼ばれるようになったと言われています。
ちなみに「ヨコハマベーカリー」はすでに閉店していますが、後継者が「ウチキベーカリー」というパン屋を開業して、今も伝統的なイギリスパンを焼き続けています。お店は横浜市の元町エリアにあります。詳しくは僕のレビュー記事をご覧下さい。
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【横浜:ウチキパン】食パンの元祖!元町の伝統的なパンを食べた感想
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説2:本食パンが略された
パン屋さんで四角い食パンが売られるようになってからの話なのですが、当初は西洋料理の「もと」となる食べ物という意味で「本食パン」(もとしょくぱん)と呼んでいたみたいなんです。
とはいえ、本食パンとは「イギリスパン」そのものを指す言葉なので、日本の食パンを指す言葉ではない様子。今でも高齢の方には、食パンのことを「本食」と呼ぶ人がいるそうなので、あながち嘘では無さそうです。
説3:酵母に食べられたパンだから
食パンを作る際はイースト、ホップ種などの天然酵母を使用して発酵&熟成させながら作ります。
パンが発酵するメカニズムをご存知の方は少ないかも知れないので補足しますと、パン酵母はパン生地内の糖分を栄養にして炭酸ガスとアルコールを発生させます。これがパンが発酵して膨らむメカニズムです。
もう少し詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい。
つまり、何を言いたいのかというと、発酵時に発生した炭酸ガスとアルコールの気泡が、まるで「食べられた跡」のように見えた。そんな見た目のイメージから「食べられたパン=食パン」に派生したみたいです。
説4:消しパンと区別するため
驚くべき話ですが、消しゴムが誕生する前は、劣化したパンの白い部分を「消しゴム」代わりに使っていたみたいです。
文字を消すために使うパンは「消しパン」と呼ばれていて、「消しパン」と区別するために「食べるパン=食パン」と呼ぶようになったという説です。
ちょっと怪しい気もしましたが、Wikipediaの消しゴムの説明にも同じ記述がありました。割と有名な話みたいですね。
消しゴムが存在する前の時代、パンを使っていた当時は字消しのパンを「消しパン」、そして食事のためのパンを「食パン」と呼んでおり、それが現在の「食パン」の語源となっているといわれているが、これは俗説である。(引用:Wikipedia)
長方形のプラスチック消しゴムが流通し始めたのが1959年以降。食パンが日本で流行り出した時期とも重なるので、あながち嘘では無さそうです。
説5:フライパンと区別するため
最後はフライパンと区別するために「食」を付けた説です。個人的には、ちょっと怪しい説かなと思ってます。
フライパンを訳すと「フライ=揚げる・炒める」「パン=平らな鍋」となります。パンの意味がまったく違いますが、日本人からすれば同じに聞こえてしまいますね。とはいえ、区別して呼ばなくても、それほど日常生活で困ることが無いような気がします。
最有力は「主食用パンだから」です
証拠となる資料が残っていないので、今では説が立証できないという悲しい状況ですが、最も有力だと言われている説はあります。それは「主食用パンだから」説です。
マイナビニュースの編集者が「ウチキベーカリー」の「打木 豊」さんにインタビューしている記事を見つけることができました。
「食パン」の名前の由来は? 食パン発祥店の人に聞いてきた(外部リンク)
上記の記事内でも、「菓子パンと区別するために、主食用のパン=食パンとなった」と語られています。
食パンが日本で作られ始めた当時は菓子パンが主流だったこと、食事に合わせるためのパンである点から推測するに説得力が高い意見かなと思います。
とはいえ、断定は出来ないので「自分はこれが正しいと思う!」という説を信じれば良いんじゃないでしょうか。なんだか投げやりな終わり方ですみません…。
まとめ:食パンの由来は諸説ありすぎた
食パンと呼ばれるようになった理由は様々で、断定できるような証拠が残っていないのが現状です。元があるにせよ、今は「食パン」という固有名で定着しているので、深く考えなくても大丈夫そうですね。
おさらい
・食パンの正式名称は「食パン」で合ってる
・名前の由来は諸説あって正解が出ていない
・食事用パンだから説が有力
日常的に食べている「日本のパン」でも、僕らが知らないことってたくさんあるんですよね。また、気になる話題があれば調査してみたいと思います。
それでは、楽しいパンLIFEを!!