こんにちは!パンブロガー兼パンシェルジュのふくともです。
この記事では、こねる時間と発酵時間が少ないので手軽に挑戦できるハンガリーのパン「ポガーチャ」の作り方を優しくレクチャーしていきます。
ポガーチャとは?
ポガーチャはハンガリーのご家庭で手作りしたり、レストランで食べる機会も多い国民的なパン。
バターをたっぷり使った一口サイズの生地はスコーンのような見た目をしていて固そうに見えますが、茹でたじゃがいもを加えることで中はモチモチした食感に仕上がります。
サワークリームで酸味を加えたり、ハムやチーズを混ぜたりとアレンジメニューが豊富にあるのも特徴です。
実際に僕が作ったポガーチャがこちら↓↓
完成イメージ
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日本ではあまり見かけないパンかと思いますが、ハンガリーでは国民食と呼ばれるくらい人気のあるパン。バターの心地よい風味と塩気があっておやつにぴったりです。
ポガーチャは発酵時間が他のパンと比べて短くて済むので、あまり時間の取れない日でも手軽に作れるのがメリットです。
必要な道具や材料の紹介とパンシェルジュの僕からポガーチャを作る時に気をつけるポイントなどをていねいにお伝えしていきます。
ポガーチャ作りに使う道具はコレ!
アイテムリスト
・ボウル【直径19cm以上】
・計量カップ
・ミニ泡立て器
・デジタルスケール
・カード(スケッパー)
・麺棒
・刷毛(ハケ)
・抜き型【コップでOK】
・オーブンミトン
・ステンレスクーラー
・オーブンレンジ
・作業台
知らない道具が出てきて困った…という方は、別記事で道具の解説をしているので参考にしてみてくださいね。
詳細はこちら
手作りポガーチャの材料
ポガーチャの作り方は「サワークリームを加えるパターン」と「茹でたじゃがいもを加えるパターン」の2つが定番です。
今回は「茹でたじゃがいもを加えるパターン」で紹介します。
なお、作れる数は使う型抜きのサイズで変わりますが、プリンの空きカップを使えば10~12個は作れる分量です。
ポガーチャの材料
じゃがいも(茹でて潰しておく) | 300g(3~4個) |
強力粉 | 210g |
塩 | 6g(小さじ1) |
砂糖 | 10g |
インスタントドライイースト | 3.5g |
牛乳(30~35℃のぬるま湯) | 40ml |
バター | 125g |
卵黄 | 1個 |
全卵(仕上げ用) | 1個 |
パン作りの基本
すべての材料をデジタルスケールできっちり量っておきましょう。絶対に目分量はダメですよ。
パンはフライパンや鍋で作る料理と違って後から分量の微調整が難しい料理なので、1グラム単位まできっちり揃えるのが成功の秘訣です。
最初は面倒に感じますが、これが出来ないと毎回安定したパン作りはできません。
とにかく慣れましょう!
【パンシェルジュ直伝】モチモチ食感!ポガーチャのレシピ
それでは、ハンガリーのパン「ポガーチャ」を作る手順をていねいに解説します。
早速パン作りを始めてしまいたいところですが、いくつか事前準備がありますので、ご覧ください。
事前準備編
ポガーチャをモチモチ食感にするために「茹でたじゃがいも」を使うのがポイント。
まずはじゃがいもをお湯で茹でて潰したものを作っていきましょう。
皮付きじゃがいもを鍋で水から茹でたらペロッと皮がむけますので、あとはボウルの中で潰して冷ましておけば完成です。
じゃがいもを潰す時は最終的に小麦粉と一緒にこねていくので、ざっくり崩れていれば大丈夫。
その他の準備は以下の2つです。
- バターを常温に戻しておく(冷蔵庫から出して30分くらい)
- 牛乳をぬるい状態にする(レンジで10~20秒チンする)
ここまで済ませたら、いよいよパン作りスタートです!
パン作り編【全11工程】
発酵させる回数が少ないので、短時間で作れますよ。
ポガーチャの作り方
- 手順1.ボウルで材料を混ぜ合わせる
- 手順2.牛乳を加えたら、まとまるまでパン生地をこねる
- 手順3.1次発酵開始【25~28℃で50分】
- 手順4.打ち粉をして作業台にパン生地を広げる
- 手順5.麺棒で長方形に伸ばす
- 手順6.三つ折りにする
- 手順7.再度、三つ折りにする
- 手順8.厚さ2cm程度になるように麺棒で伸ばす
- 手順9.型抜きして天板に並べる
- 手順10.刷毛(ハケ)でパン生地の表面に卵を塗る
- 手順11.パン生地をオーブンで焼く【190℃で25分】
手順1.ボウルで材料を混ぜ合わせる
まず、じゃがいも・強力粉・塩・砂糖・インスタントドライイースト・バター・卵黄を同じボウルに入れて軽く混ぜておきます。
ゴムベラでこねるように混ぜてもいいですが、バターが固くて混ざりにくい時は手を使った方が早いです。
手順2.牛乳を加えたら、まとまるまでパン生地をこねる
先ほどと同じボウルに牛乳を加えたら、ボウルの中でこねていきます。
ゴムベラだと時間がかかるので、しっかりと手でこねていきましょう。
ポガーチャは発酵時に膨らませる必要がないので、写真のような丸い塊になっていればOK。
なお、長時間こねるとバターが溶け出してしまうので、5分程度で終わらせるのがポイントです。
手順3.1次発酵開始【25~28℃で50分】
パン生地の入ったボウルにラップをかけたら一次発酵スタート。
以下の室温と時間を目安に発酵をしてみて下さい。
1次発酵の目安
室温25~28℃で50分
ポイント
1次発酵が終わったタイミングでオーブンの予熱を開始しておきましょう。
家庭用の電気オーブンって思った以上に予熱に時間がかかります。(ウチは15分くらい)
成形してから予熱だと時間がもったいないので、先を見越して準備しておくとすぐに焼けてスムーズですよ。
手順4.打ち粉をして作業台にパン生地を広げる
1次発酵が終わったら、作業台に裏向きでパン生地を広げます。
この時、パン生地が作業台に張り付けないように打ち粉(強力粉)を少し振っておくと良いです。
手順5.麺棒で長方形に伸ばす
麺棒を使って中央から外側に向かってパン生地を伸ばしていきます。
大きさの目安は、縦40cm×横20cmの長方形です。
見た目のキレイさよりも厚さが均一になることを意識して伸ばすのが大切です。
手順6.三つ折りにする
長方形の長い面を1/3ずつ折りたたんで三つ折りにします。
生地が作業台に張り付いて持ち上げにくい時は、カード(スケッパー)を下に滑り込ませながら行うとちぎれ・破れなどの事故防止になります。
↓ 生地の両サイドを1/3ずつたたむ
手順7.再度、横から三つ折りにする
先程と同じ要領で横から三つ折りにします。
少し厚みがあってやりにくいですが、しっかり端まで閉じるようにしてください。
↓ 横から1/3ずつたたむ
手順8.厚さ2cm程度になるように麺棒で伸ばす
2度の三つ折り作業が終わったら、上から麺棒で長方形に戻します。
伸ばした時の厚さ2cmを目安にしましょう。
実は三つ折りすることで、焼いた時に層が出来るようになります。
クロワッサンの内側をイメージしてもらえるとわかりやすいですね。
たたむ回数を増やせば層の数は増えますが、何度も行うと生地が破れてしまうので左右1回にとどめておきます。
手順9.型抜きして天板に並べる
長方形に伸ばし直せたら、いよいよ成形作業に入りますよ。
ポガーチャの成形はとっても簡単!丸いカップのフチでくり抜くだけです。
大きさに決まりはありませんが、プリンの空きカップくらいがお手頃ですね。
くり抜いた生地は形が崩れないようにカード(スケッパー)を滑り込ませて持ち上げたら、オーブンシートを敷いた天板の上に並べていきましょう。
なお、くり抜いていくと枠部分のパン生地が余ると思います。
さすがにもったいないので、再度まとめ直して2cmの厚みで切り分けて使いましょう。
手順10.刷毛(ハケ)でパン生地の表面に卵を塗る
溶いた卵をハケでパン生地の表面に塗っていきます。
なお、卵を塗るのはイイ感じの焼き色を付けるためですが、味自体に大きな違いはないので面倒なら省いてしまっても大丈夫ですよ!
手順11.パン生地をオーブンで焼く【190℃で25分】
設定温度と時間は【190℃で25分】です。
ただし、オーブンの性能によっては焦げてしまうこともありますので、焼け具合を見ながら適宜調整してみてください。
危ない!と思ったら、パン生地の上にアルミホイルを被せるようにしましょう。焦げ防止になります。
バターをたっぷり使ったポガーチャは時間が経つと少しベチャっとした感じになるので、焼き上がり1時間以内が食べ頃です。
ポガーチャはどんな味?食べ方は?
見た目はスコーンっぽいポガーチャ。
どんな味や食感なのかワクワクしながら食べてみました!
【じゃがいも効果?】ポガーチャのしっとりモチモチ食感がたまらない!
手で持つと見た目以上にずっしりしています。
作る時に何度か三つ折りにしたことで、横方向に層ができているのがわかりますね。
ポガーチャを食べてみると、外側の生地はサクッとしてるのに、内側がしっとりモチモチになっていてビックリ!
スコーンのサクっとしたビスケットのような食感とは完全に別物ですね。見た目で判断するのはノーグッドでした。
このモチモチ感はじゃがいもを加えた効果でしょう。強力粉だけではこのモッチリ感は出せませんよ。
塩気があるのでそのままがオススメ
ポガーチャは、生地自体にしっかりと塩気を感じることができるので、下手に具材をはさまない方が美味しいと思います。
一口サイズでぺろりと食べれてしまうため、止め時がわからなくなりますね。
食べきれない時は?
バターをたっぷり使ったパンは日が経つとベチャっとするので、常温保存はおすすめしません。
当日中に食べきれない分は即冷凍保存してしまいましょう。
アレンジしたい時は?
ハンガリーでは、じゃがいもの代わりにサワークリームを入れて酸味を出すバリエーションも定番です。
他にもチーズやハム・ベーコン・ハーブを生地に練り込んだり、トッピングして焼いたりもします。
試しに冷凍したシュレッドチーズを乗せて焼いてみました。
とはいえ、パンのアレンジは無限大。
固定観念にとらわれず、家で余った食材を生地に加えて楽しくアレンジしてみてくださいね。
手作りポガーチャのポイントをおさらい!【チャレンジしてみて】
ポガーチャ作りで大事なポイントを最後にまとめます。
ポイントまとめ
じゃがいもは先に茹でて冷ましておく
バターが溶けるので、こねる時は手早く!
層ができるように縦横でしっかり三つ折りする
生地の厚さは2cmが理想的
ポガーチャは「こねる時間」と「発酵させる回数」が少ないので、一般的なパンと比べて短い時間で作ることができます。
程よい塩気とバターの味わいがあるので「ちょっとしたおやつが食べたい」なんて時、気軽に作ってみてはいかがでしょうか。
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それでは、楽しいパンLIFEを!