日本人なら大人~子供まで当たり前のように知っているパンという名前。
一般的すぎて疑問を持ったことがない人が多いかもしれないですが、国によって呼び方が別物レベルに違う場合もあるんです。
そこで当記事では、世界各国で『パン』がどのように呼ばれているのか?をパンブロガーの僕が徹底リサーチしてみました。
あなたの知らないパンの呼び方はいくつあるでしょう?
日本のパンの語源は?【ポルトガル人から伝わる】
ご存じの方も多いと思いますが、パンの語源はポルトガル語のpão(パウン)だと伝えられています。
16世紀にポルトガル船が日本の平戸(長崎県)に来航した際に鉄砲やキリスト教と一緒にパンが日本にもたらされたそう。しかし、江戸時代に鎖国が始まってしまい、西洋文化のパンを食べることが禁止されてしまったので、国民の口に入ることはほぼ無かったのです。
本格的に日本でパンが食べられるようになったのは明治初期。この頃はフランスパン・イギリスパン(少し硬めの食パン)が主流ですが、そこから日本風に『あんパン』や『クリームパン』といった独自の進化を続けていきました。
こうしてパンが日本文化として発展していったわけなんですよね。
関連横浜開港時代から続く歴史あるパン屋【ウチキパン】
-
【横浜:ウチキパン】食パンの元祖!元町の伝統的なパンを食べた感想
続きを見る
世界のパンの呼び方を徹底リサーチしてみた
「こんにちわ」というあいさつが国々で違うようにパンの呼び方も様々でした。
個別にネットで調べるのも大変かと思いますので、豆知識のひとつとして参考にしてみてくださいね。
ヨーロッパ圏でのパンの呼び方
旅行でおいしいパンが食べるなら、ヨーロッパは外せません。
調べてみるとパン文化が古くから発展していった地域だけあって呼び方に統一感がありますね。
フランス | パン(Pain) |
イタリア | パーネ(Pane) |
ドイツ | ブロート(Brot) |
オランダ | ブロート(Brood) |
ノルウェー | ブロート(Brød) |
イギリス | ブレッド(Bread) |
デンマーク | ブロド(Brød) |
ロシア | フリエーブ(хлеб) |
フィンランド | レイパ(Leipä) |
ポルトガル | パオ(Pão) |
スペイン | ウンパン(Un pan) |
フランスでも「パン」と呼ぶのは驚き!しかし、イントネーションが違います。発音的には「ポン」に近いみたい。
他に面白かったのが、ドイツ・オランダ・ノルウェーは微妙につづりが違うけど「ブロート」で統一されている点。同じヨーロッパ圏でもパンがどのように伝わったのかがぼんやりと見えてきます。
中近東でのパンの呼び方
発酵パン発祥の地と伝えられる古代エジプト。一説では、おかゆ状のなにかを数日放置したら、たまたま酵母が付着したんだそう。普通に考えたら腐ってると思って捨ててしまいそうですが、それをパン作りに使うという発想がスゴすぎる(笑)
話が逸れましたが、エジプトやトルコで『パン』は以下のように呼ばれています。
エジプト | ホブス(khabaz) |
トルコ | エキメキ(Ekmek) |
初耳という方が多いかもしれませんね。僕はパンシェルジュ検定の問題でこの呼び方を知り驚いたものです。
全然違いすぎて最初は頭に入ってこなかったのは良い思い出。
アジア圏でのパンの呼び方
日本を含むアジア圏も呼び方があまり統一されてませんでした。誰かまとめ役いなかったんでしょうか。
系統的には日本・韓国・タイは似た流れで伝わったように見えますね。なお、日本と韓国はいずれも『パン』と書きますが、韓国はすこし濁った発音になるそうです。
日本 | パン(Pan) |
インド | ロティ(rotee) |
中国 | メンバオ(麵包) |
韓国 | パン(빵) |
タイ | クノンパン(K̄hnmpạng) |
べトナム | バインミー(Bánh mỳ) |
ベトナムの『バインミー』は日本ではバゲットタイプのサンドイッチと認識されていますが、実はパンそのものがバインミーなんです。あくまで食べ方のひとつって感じですね。
旅先で普通のパンが出てきても「これ、バインミーじゃない!」って怒ってはいけません。
呼び方を整理したら見えた!3つの流派【個人的考察】
あくまで個人的な考察ですが、パンという呼び名は製パン技術が古代ローマからヨーロッパ全土に伝わった際にイントネーションを変えながら広まったようです。逆に小麦の育たない寒冷地では、ライ麦粉を使ったパンが主流だったので、ここから派生したのがブロートと呼ばれるようになったのかなと考えています。
パンから派生(古代ローマから伝わった系) | フランス、イタリア、ポルトガル、スペイン、日本、韓国、タイ |
ブロートから派生(寒冷地から伝わった系) | ドイツ、オランダ、ノルウェー、デンマーク、イギリス、アメリカ |
独自の呼び方 | その他の国々 |
しかし、そうするとイギリスやアメリカは小麦粉のパンが主流なのにブレッドと呼ばれていてしっくりこない問題が出てきますが…。
結局のところ、だれが他国に伝えて広めたかで呼び方が決まっていったという感じなのかなぁ。この時代に情報共有は難しいので、影響力がある人が「これはパンという食べ物だ」といえば皆さん「そうなんだ」と思いますよね。
まとめ:パンの呼び方は似ているようで違って面白い
世界各国のパンの呼び方をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
国によって呼び方が違うということは、各国でパンが確固たる地位を築いてきた証なのかなと思ってます。
それでは、楽しいパンLIFEを!!