当記事では、イーストなどのパン酵母を一切使わずに、無発酵で簡単に作るグリッシーニのレシピをご紹介します。
グリッシーニとは
グリッシーニは、イタリアを代表するおつまみパンです。
細長く焼いたパン生地はサクッとしたクラッカーのような食感。イタリアのバルでは生ハムを巻いたり、チーズを添えてワインと一緒に楽しみます。
パンブロガーのふくともです。独学で2年ほど様々なパンを焼き続けるスローライフな生活を送ってます。
パン作りが大変とされる理由は「とにかく時間がかかる点」ではないでしょうか。パン生地を発酵させて作り終えるまでに、平均して3時間は確保できないと厳しいので、気軽に「パンでも作ろうかな」って気分になりにくいんですよね。

なんと、今回ご紹介するグリッシーニのレシピは発酵させずに作れるので、90分あれば作ることができちゃいます。これなら忙しい時でも挑戦しやすいですよね。
完成イメージはこちら
グリッシーニはパンというよりも、もっちりしたクラッカーに近いです。塩をあまり使わない薄味なので、チーズやソーセージといった濃い味の食べ物と相性が良いですよ。
そんなグリッシーニ作りに必要な道具や材料と手順を写真付きで優しく解説していきます。
読み終わる頃には「これなら自分にも作れそう!」って気分になってもらえたら幸いです。一緒に挑戦している気持ちになってご覧下さい。
グリッシーニ作りに必要な道具
グリッシーニ作りに必要な道具は以下の通り。
アイテムリスト
細かく書いているので多く見えますが、特殊な道具は必要なくてパン作りの基本アイテムばかりです。パン作りの道具をもっと詳しく知りたいという方は、以下の記事も合わせてご覧下さい。
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グリッシーニの材料
グリッシーニの材料は以下の通り。使う材料が少なく、非常にシンプルです。
グリッシーニの材料(15個)
強力粉 | 130g |
薄力粉 | 35g |
塩 | 2.5g |
砂糖 | 2.5g |
ベーキングパウダー | 1g |
水(35~38℃のぬるま湯) | 90ml |
オリーブオイル | 8g |
今回のご紹介するレシピ、一番のポイントは「パン酵母」を「ベーキングパウダー」に置き換えている点ですね。

もちろん、イーストなどのパン酵母を使ってグリッシーニを作ることは可能です。ただし、酵母を使うと発酵時に膨らむ関係でカリッした食感に焼き上げるのが少し難しくなりますし、発酵時間も長くなります。なので、今回は手軽さを優先するためにベーキングパウダーで作るようにしました。
・さっくりした食感を出すために薄力粉を少し混ぜる。
・少量のオリーブオイルを加えて香り付けする。
・カリッと仕上げたいので水は少なめ。
グリッシーニの作り方【全8工程:90分】
作業時間はかなり余裕を持って設定しています。慣れてくれば60分で作れますよ。
グリッシーニの作り方
- 手順1.パン生地の材料を合わせる
- 手順2.水にオリーブオイルを加えて、材料と混ぜる
- 手順3.ボウルの中で、粉っぽさが無くなるまでこねる
- 手順4.ビニール袋に入れて冷蔵庫で30分休ませる
- 手順5.作業台にパン生地を広げて、めん棒で厚さ1cmに伸ばす
- 手順6.幅1cm程度にカットしていく
- 手順7.手のひらで優しく25~30cmの棒状に伸ばしていく
- 手順8.パン生地をオーブンで焼く【190℃ 13分】
出てくる用語がわからないという方は、以下の記事に基礎知識をまとめています。合わせてご覧下さい。
手順1.パン生地の材料を合わせる
強力粉・薄力粉・塩・砂糖、ベーキングパウダーをボウル入れて、混ぜ合わせましょう。この時に、ミニ泡立て器があると便利です。
ワンポイント
超基本ですが、材料はすべてデジタルスケールで量りましょう。(目分量は絶対ダメ)
手順2.水にオリーブオイルを加えて、材料と混ぜる
小さいボウルに35℃前後のぬるめの水・オリーブオイルを加えて軽く混ぜたら、【手順1】の材料に加えていきましょう。季節によって必要な水分量が変わってくるので、一度に全部入れるのではなくて、9割加えて様子を見るのが正しいやり方です。
手順3.ボウルの中で、粉っぽさが無くなるまでこねる
片手でボウルの端を押さえつつ、もう片方の手でパン生地を混ぜていきましょう。長くて5分も混ぜれば粉っぽさは無くなってきます。

ワンポイント
パン作りはしっかりこねて作るものが多いですが、グリッシーニは軽い食感に仕上げたいのでこねすぎないのが正解です。

少しベタついた状態で問題ありません
手順4.ビニール袋に入れて冷蔵庫で30分休ませる
こね終わったパン生地は、ビニール袋に入れて口をしっかり縛ったら「冷蔵庫の野菜室」に入れて30分休ませます。
ワンポイント
野菜室に保管する理由は「温度が少し高めだから」です。
一般的に冷蔵室の温度は3℃前後になっていますが、これだとパン生地が冷えすぎてしまいます。野菜室の温度は6℃と少し高めなので、パン生地を休ませるのに丁度よいというわけなんですね。
手順5.作業台にパン生地を広げて、めん棒で厚さ1cmに伸ばす
野菜室で休ませ終わったパン生地を袋から出して、作業台に広げましょう。
ワンポイント
野菜室から取り出すタイミングでオーブンの予熱を開始しておきましょう。成形後にすぐに焼き始めることができますよ。設定温度は【190℃で13分】です。
あまりこねていないグリッシーニの生地はベタベタして作業台に張り付きやすいので、作業台に強力粉を軽く振ってから置くと、張り付き防止になって扱いやすくなりますよ。
めん棒でパン生地を広げる時は【中央から奥】⇒【中央から手前】の順に押すとパン生地が均等に広がるようになります。

1cmの厚みが残る程度に広げましょう
手順6.幅1cm程度にカットしていく
カットは包丁を使うことを推奨します。カード(スクレイパー)でも分割可能ですが、グリッシーニの生地は非常に柔らかいので、切れ味が良い包丁を使った方が効率よく分けられました。

ワンポイント
分割は15個にするのが理想的なんですが、数が増減しても気にしないで大丈夫です。
大きさにばらつきが出るのも手作りの醍醐味!楽しみながら作っていきましょう。
手順7.手のひらで優しく25~30cmの棒状に伸ばしていく
中央から外側に向かって指先でクルクルと伸ばしましょう。長さの目安は25~30cmなんですが、ご自宅のオーブンレンジに入り切るか、まずは確認しましょう。オーブンの幅が足りない場合は、少し短めに成形しておけばOKです。

ワンポイント
うっかり長く伸ばし過ぎてしまった時は、折りたたんで短くしてしまうか、中央でカットしましょう。強引なワザですが、オーブンで焼けないよりはマシです。
手順8.パン生地をオーブンで焼く【190℃ 13分】
【手順5】でオーブンの予熱を開始していれば、成形が終わった直後に焼き始めることができます。グリッシーニは中央に置いたものが焦げやすいので、途中で場所を変えたりしてあげると、バランスよく火が通ると思いますよ。
※高性能のオーブンなら不要かも。
ワンポイント
オーブンの温度は機種によってクセがあるので、あくまで目安となります。焼き色が付かないなと思ったら、10~20℃上げてみましょう。

グリッシーニの完成!長さバラバラ(笑)

人差し指くらいの太さです
チーズ&ワインと一緒に食べてみた!
手作りグリッシーニを、安くて飲みやすいチリの赤ワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」と、オーダーチーズで購入した「スイス産のエメンタールチーズ」と一緒に食べてみました。


グリッシーニの細い部分はカリっと香ばしく焼き上がっているのに対して、太い部分はもっちりしていて、小麦とオリーブオイルの風味が楽しめました。あえて不揃いに作ったわけではないのですが、結果的に2面性が出てよかったなと。
エメンタールチーズのマイルドな塩気と甘みは、さっぱり味のグリッシーニと合わせると良いアクセントになりますね。ヨーロッパ生まれ同士はやはり相性が良いです。
グリッシーニのアレンジレシピ
最後に簡単なアレンジをいくつかご紹介。
材料の割合を調整するのは難しいので、今回は見た目をアレンジしてみました。以下は「パン生地をねじりハチマキ状にひねる&2本を交互に編み込んだ」グリッシーニです。

焼き上がりも編み込み模様が残りましたね
見た目の変化を楽しむだけではなくて、例えば2本を重ねることで、モチモチした食感が強調されたりします。見た目のアレンジは割と簡単にできますので、思い思いの形に変えてみると面白いですよ。
こんなアレンジもいかが?
・焼く直前に粉チーズを振りかける
・焼く直前に黒ごまを振りかける
・平たく伸ばしてピザ風に焼いてみる
最後に:作り方のおさらい
今回ご紹介したグリッシーニは、パン酵母を使わずに作れるので、とってもお手軽。これならパン作り初心者さんも挑戦しやすいですよね。

グリッシーニの作り方
- 手順1.パン生地の材料を合わせる
- 手順2.水にオリーブオイルを加えて、材料と混ぜる
- 手順3.ボウルの中で、粉っぽさが無くなるまでこねる
- 手順4.ビニール袋に入れて冷蔵庫で30分休ませる
- 手順5.作業台にパン生地を広げて、めん棒で厚さ1cmに伸ばす
- 手順6.幅1cm程度にカットしていく
- 手順7.手のひらで優しく25~30cmの棒状に伸ばしていく
- 手順8.パン生地をオーブンで焼く【190℃ 13分】
作る時のポイント
- こねるのは少しで十分(長くて5分)
- 寝かせる時は「野菜室」を活用
- 形や長さはシビアにならず適当で大丈夫
洋食に合うおつまみがもう一品欲しいなって時にも重宝します。是非お試し下さい!
それでは、楽しいパンLIFEを!!