悩み事
- フランスパン生地がベタベタして困ってる
- 水分の多いパン生地を効率的にこねる方法を知りたい
- オートリーズが良いって聞いたけどどうやるの?
上記の疑問にお答えします。
フランスパンのようなハード系のパンは、水分量が多くてこねるのに苦労しますよね。手に生地がくっついてイライラしてしまうこと多いと思います。
そんなときに便利なのが「オートリーズ」です。
当記事ではパン作り歴3年の僕が、オートリーズが与える効果やメリット、実践方法などを詳しく解説していきますのでご覧ください。
【オートリーズとは?】フランスパン作りに用いる製法
オートリーズを簡単に説明すると「水分が多いパン生地を効率よくこねるワザ」ですね。
オートリーズとは?
英語でautolysis(自己融解)という意。フランスのレイモン・カルベル氏によって考案された製法です。
小麦粉と水をざっくりと混ぜ合わせた後に「15~30分程度休ませる」ことを指します。オートリーズすることで、小麦粉が水をゆっくり吸収してグルテンが形成されていきます。
オートリーズが効果を発揮するのは、水分量が多いパン。つまりフランスパンですね。
フランスパンは加水率70%(小麦粉に対する水の割合)を超えるのが一般的ですが、そうなると生地がベタベタして手こねするのが大変だったりします。というか、手にくっついてイライラします(笑)
そんな時こそオートリーズの出番。オートリーズがもたらす「水和」と呼ばれる作用によって、時間と共にグルテンが形成されます。
オートリーズがパンに与える効果
オートリーズは以下のような効果をパンに与えてくれます。
オートリーズの効果
- グルテンが緩やかに形成される
- 香りや歯ざわりがよくなる
- 生地の伸びがよくなる(成形しやすい)
- 焼いたときに窯伸びしやすくなる
- フランスパン特有の荒い気泡が作れる
あとは作業効率アップというメリットもありますね。手でこねる必要がなくなるので、ゆっくり読書したりテレビ観る時間に当てられます。
じゃあ、全てのパン作りに「オートリーズ」を取り入れたら楽できていいのでは?と思うかもしれませんが、実は向き・不向きがあります。
オートリーズが向いているパン
オートリーズは使う水分の量が多いパン作りに効果的です。
ベーカーズパーセント計算で水分量70%を越えるようであればオートリーズしてみても良いでしょう。
具体的に言うと以下のようなパンが該当します。
向いているパン
- バゲット
- カンパーニュ
- チャバッタ
オートリーズに向かないパン
オートリーズはこねる作業がいらず便利ですが、グルテンの繋がりが手ごねと比べて弱くなるという特性があります。つまり、発酵時に大きく膨らんでくれないんです。
バゲットを代表するフランスパンであれば、大きく膨らませる必要はなく、内側に気泡が残ったゆるい生地にしたいのでピッタリなんですが、「ふわふわ・もちもち」のパンを作ろうとしている場合はやめた方が良いでしょう。
例えば、食パンやコッペパンといった日本発祥のパンです。こちらは、ソフトな食感に仕上げる必要がありますのでオートリーズに適していません。
向いていないパン
- 食パン
- バターロール
- コッペパン
上記のようなパンは、素直に手ごねしてグルテンをしっかりと作るようにしましょう。
オートリーズの手順を写真付きで解説
実際にオートリーズをしてパンを作ってみましょう。
重要なのは「小麦粉に水を加えて30分待つ!」ってことだけ。簡単ですよ。
当然ですが、パンの発酵には酵母が不可欠。忘れずに加える必要がありますが、ここで1点注意することがあります。実は使う酵母の種類によってパン生地に加えるタイミングが異なります。
理由は発酵力に差があるからですね。
最も一般的な「イースト」を使った手順と天然酵母を使った手順を順番に解説していきます。
酵母にイーストを使う場合
まずはイーストを使った手順です。
イーストは発酵力が強い酵母なので、生地を休ませてからイーストを加えるのがポイントです。
※分量はレシピによって異なるので記載していません。
1.小麦粉(強力粉)に水を加えてゴムベラなどで軽く混ぜる
小麦粉と水をボウルに入れて、ゴムベラでざっくりと混ぜましょう。粉っぽさが無くなるくらいで大丈夫です。
なお、塩と酵母はここでは加えません。塩にはパン生地を引き締める効果があるんですが、ゆるく仕上げたいオートリーズでは後入れが基本です。ただし、後で入れ忘れないように気をつけてくださいね・・・(何度かやってしまった経験あり)
2.30分休ませる
休ませる際は常温(25℃前後)でオッケーです。
乾燥しないようにラップや濡れ布巾でボウルにフタをするようにしましょう。僕は使い捨てシャワーキャップを使っています。ボウルにピッタリはまってくれますし、手軽に使えて便利ですよ。
3.生地にイーストを振りかけて、混ぜ合わせる
ここでイーストの出番。ざっと振りかけていきましょう。
イーストを振り終えたら、再度ゴムベラで混ぜ合わせてください。
4.さらに塩をかけて混ぜ合わせる
最後に塩を投入します。
塩を最後に入れることでバゲットに適したゆるい生地に仕上がります。
塩をかけたら、指先を少し濡らして生地に塩を塗り込んであげると混ざりやすくなりますよ。
間違えて最初に塩を入れてしまったら?
いつもの流れで最初の材料を混ぜる段階で塩を入れてしまった!なんてことあると思います。その場合は無理して塩を取ったりしないで混ぜちゃって良いです。
生地は少し固めに仕上がってしまうかもですが、味にさほど影響はありませんので。
酵母に天然酵母を使う場合
天然酵母を使う場合は、最初の段階で生地に混ぜてしまってオッケーです。
発酵力の弱い天然酵母は、最初に酵母を加えても過発酵(発酵しすぎ)になるリスクは少ないのです。
※分量はレシピによって異なるので記載していません。
1.小麦粉に水と酵母を加えて混ぜ合わせる
今回は酵母も最初から入れてしまいます。
基本的に天然酵母は発酵力が弱いので、最初に入れてしまって問題ないと思います。
イーストだけは後入れって覚えておきましょう。
2.30分休ませる
ここはイーストと同じですね。乾燥にだけ気をつけてください。
3.休ませた生地に塩をかけて混ぜ合わせる
ここも手順は同じ。塩を加えてしっかりと混ぜ合わせていきます。
混ぜ方が足りないと塩の塊ができてしまい、食べた時に「しょっぱい!」ってなります。均一になるように20~30回くらい混ぜるようにするといいですね。
オートリーズを活用してハード系ブレッドに挑戦してみよう!
オートリーズは手順も簡単なので、フランスパンを手作りするときに試してほしいテクニックです。
上手に実践すれば、手ごねをする必要がなくなるので、ベタついた生地を扱うイライラから解放されることでしょう。
楽していきましょう!
当ブログで紹介しているカンパーニュのレシピはオートリーズを取り入れています。実際のレシピを見た方がイメージしやすいと思うので、合わせてチェックしてみてくださいね。
-
どっしり大きい!自家培養酵母で作るカンパーニュのレシピ
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それでは、楽しいパンLIFEを!!