当記事は、世界3大青カビチーズのひとつに称されるイギリスの「スティルトン」の味や食べた感想をお伝えしていきます。
こんな方におすすめの記事
- 青カビチーズ未経験の人
- ゴルゴンゾーラと何が違うのか知りたい
- 実際に食べた人の感想を聞きたい
青カビを使ったブルーチーズって見た目も独特だし、クセがありそうで食べる勇気が無い…って人が多いです。たしかに一部のブルーチーズは、独特の匂いや塩気が強烈で食べづらかったりしますが、食べやすいブルーチーズも結構あるんですよ。
そんなブルーチーズの中から、当記事では「スティルトン」の見た目や味の魅力をお伝えしていきます。
記事の内容
・スティルトンの解説
・実際に食べてみての感想
・ゴルゴンゾーラとの違いや食べやすさ
実際にスティルトンを食べた僕の感想は「青カビの刺激も穏やかで食べやすい」と素直に思えるブルーチーズでした。青カビの酸味よりもミルクのコクを強く感じる味なので、今までブルーチーズを食べたことがない人が初めて食べるのにもってこいのチーズだと思いますよ。
世界3大チーズすべて食べたことがある僕から、食べやすさなどもランキング化してまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
イギリスのチーズ「スティルトン」とは?
スティルトンはイギリスを代表する青カビチーズ(ブルーチーズ)の一種です。大理石を思わせる青い筋のような模様が特徴的ですが、これはチーズの内側に青カビを広げるために意図的に穴を空けたことで生じているんだそうです。
イタリアの「ゴルゴンゾーラ」、フランスの「ロックフォール」と並び称されて「世界3大青カビチーズ」と呼ばれたりもしてますね。一度は名前を効いたことがあるぞ、って人多いんじゃないでしょうか。
ちなみにスティルトンと言うと一般的に「ブルー・スティルトン」を指します。青カビを使わない「ホワイト・スティルトン」という種類もありますが、日本では滅多にお目にかかれないです。
スティルトンを名乗るには厳しい基準がある
以下、すべての条件を満たさないと「スティルトン」を名乗ることはできない決まりになってます。
満たすべき条件
- 指定の3州で作られているか?(※1)
- 地元産の牛乳で作っているか
- 使用前に低温殺菌しているか
- チーズの形が円筒状であるか
- 熟成する過程で外殻(外皮)が形成されているか
- 乳脂肪分を圧縮して作っていないか
- スティルトン特有の模様や味わいに仕上がっているか
※1:指定3州 = ダービーシャー州、レスターシャー州、ノッティンガムシャー州
ちなみに「ゴルゴンゾーラ」「ロックフォール」などのブランド力が高いチーズも同様で、生産地の指定や審査基準がとても厳しくなってます。逆に言えば、味のブレが少なくなるので、安心して買うことができると言えるでしょう。
ゴルゴンゾーラはスーパーなどでもよく見かけるようになりましたが、他のチーズと比べると群を抜いてお高いです。それだけ厳しい審査を通るために手間をかけて作っているからなんですよね。
チーズを作っている背景も考えてみれば、妥当な気がしてきませんか?
青カビをチーズ作りに使う目的
青カビはチーズを熟成させる過程で、独特のピリッとした酸味を加えることができます。
そもそも、青カビは自然界に存在する菌類なので、産地や培養方法によって特徴が違うので、味わいに変化をもたらしてくれるそうですよ。なので、「スティルトン」と「ゴルゴンゾーラ」では、使用する青カビが違うので、味わいや酸味の加減も変わってくるというわけですね。
酸味が強いのが好きって人もいれば、ちょっとで良いって人もいます。好みなんて人それぞれで、正解はありません。恋愛のようにフィーリングの合う異性を探す気持ちで、色々なチーズを試してみるのが良いしょう。
青カビはどうして食べても平気なの?
「カビ=悪(身体に害を及ぼす)」という先入観を持っている方が多いと思いますが、すべてのカビが人体に有害というわけでありません。
お風呂などの水場に発生しやすい「黒カビ」や「赤カビ」がなぜ有害かというと、マイコトキシンと呼ばれる毒物を生成する性質があるからです。こいつらは本当に有害なので、絶対口にしてはいけませんよ。
かたや「青カビ」「白カビ」はマイコトキシンを生成しません。なので、チーズの熟成に使っても問題ないですし、そのまま食べても害はないってわけなんですね。ただし、不衛生な環境だと違う菌も繁殖している可能性が高いので、個人で培養はしないで下さい。
適切な温度・湿度管理があればこそ、おいしいチーズを作ることが出来るんですね。そう考えると、チーズ職人って結構リスキーな職業に思えてきました。
スティルトンを夜に食べると変な夢を見るらしい
イギリスにある昔からの言い伝えだそうですが「スティルトンを夜中に食べると変わった夢を見る」そうです。
ちょっと嘘臭い気もしますが、イギリスのチーズ委員会という機関からも公式発表されていたようなので、あながち嘘ではないのかも…?
スティルトンを就寝30分前に食べると、男性の75%、女性の85%が変な夢を見る。
参照元:英国チーズ委員会(ブリテッシュチーズボード)
こちらのサイトでは実際に検証した結果がまとめられていますが、多くの方が変な夢を見たようですね。
食べると変な夢を見るチーズ「スティルトン」を食べてみた(外部リンク)
ちなみに僕は食べた夜に変な夢を見るようなことはありませんでした。と言っても、寝る30分前に食べていないので、ちょっと当てにならないかもしれません。
興味がある方は、一度試して見てはいかがでしょうか。
スティルトンを食べた感想【ゴルゴンゾーラと何が違う?】
前々から「スティルトン」の味が気になっていたのですが、今まで食べる機会がありませんでした。今回が初実食です。
個人的な感想にはなってしまいますが、世界3大チーズをすべて実食した僕が、率直な味の感想や食べやすさをお伝えしていきますので、ご覧下さい。
スティルトンの見た目
今回は100グラムにカットされた「スティルトン」を購入しました。これで1,500円くらいするので、かなり高級品ですね。
本来は円筒状の形で熟成させているものをお見せできればよかったのですが、さすがにホール買いだと数万円規模のお金が必要になるので即諦めました(泣)
チーズの表面には、青というより緑に近い筋が入ってますが、これが「青カビ」ってヤツですね。
原材料を確認すると「生乳」「塩」だけ使用となってます。ものすごく純粋に作られています。
素朴な疑問なんですが…カビって原材料表記しなくても良いんですかね。熟成させるために加えているから?と思って、色々調べてみましたが、理由はわかりませんでした。引き続き調査継続です。理由がわかったら情報追記しますね。
封を開けてみると、ほのかにツンとした匂いが鼻にきました。近くで嗅がないとわからないレベルですが、保存する時はしっかりとラップやジップロップした方が良いですね。チーズは匂い移りしやすい食品なので、保存する際は要注意です。
真ん中から縦方向に切ってみましたが、思ったよりもやわらかくて、バターのような感触でした。スティルトンを食べやすい大きさにカットする際は、力を入れすぎるとボロボロになりやすいので、慎重に行った方が良いと思いました。
スティルトンの食べ方
まずはシンプルにクラッカーに乗せて食べてみます!
なお、「プリマドンナ フォルテ」というチーズも一緒に、バジルを挟んで盛り付けてみました。こちらはパルメザンチーズのような芳醇な味わいでしたよ。
クラッカーにはスクエア(四角形)のお皿が映えますね。陶器市で買ってよかった。
スティルトンの味の感想
少しツンとする匂いをしていたので、食べづらいんではないかと心配していたんですが…僕の取り越し苦労でした!
スティルトンは酸味が控えめで、ミルク感が口いっぱいに広がる激うまチーズです。最初にちょっと塩気が来るんですが、すぐに乳製品の甘みが追いかけてきますね。ブルーチーズとは思えない驚きの食べやすさです。
当然ながらブルーチーズらしいピリッとした感じがしっかり残っていますが、ゴルゴンゾーラよりは優しい気がします。試しに「はちみつ」を少しかけてみたら、大正解!チーズの甘さが強調されて、ひと味違った味わいに。ワインを飲む手が止まりませんね。
世界3大チーズの食べやすさランキング【僕の感想】
これですべての世界3大チーズを味わった僕なので、食べやすさの観点からランキング付けしてみました。
僕の味覚が基準なので参考程度にはなってしまいますが、ご覧下さい。
順位 | 名称 | 感想 |
1位 | ゴルゴンゾーラ・ドルチェ | 青カビ少め。優しい酸味でトマトなどの野菜と一緒に食べるとおいしい。 |
2位 | スティルトン | 青カビやや強め。ミルク感と塩気が調和されていて食べやすい。 |
3位 | ゴルゴンゾーラ・ピカンテ | 青カビ強め。塩気が強くて苦手という方は「はちみつ」をかけて食べると良いです。 |
4位 | ロックフォール | 青カビ強め。ヤギ乳のクセが好きなら、ぜひ食べて欲しい。(僕はダメでした) |
※あくまで個人の感想です
ロックフォールが好きという方には「ごめんなさい」と言うしかないですが、僕は最後まで食べられませんでした。ヤギ乳の独特の味と強烈な塩気があるので、かなり人を選ぶ食べ物です。羊肉(マトン、ラム)は好きなんですけどね…。
ゴルゴンゾーラとスティルトンは、どちらも食べやすかったですが、ミルキー感はスティルトンの上かなという印象です。ゴルゴンゴーラが大好き!という人なら、間違いなく好きになる味だと思いますよ。
スティルトンの購入方法【Amazon・楽天市場にあるの?】
スティルトンはブルーチーズの中でも知名度は高いので、東京・大阪など都心部のチーズ専門店で購入することができます。あとは「成城石井」の一部店舗に置いてあるのを見かけたことがありますね。
ただし、実店舗は値段を少し高めに設定している場合が多いですし、他のチーズも勧められたりして大変です。僕のように店員とのやり取りが苦手という人は、通販で購入するのが楽です。
調べてみると、Amazonや楽天市場など大手通販サイトでもスティルトンを取り扱っていました。値段は販売元によってバラバラですが、一見安く見える商品も、送料で上乗せしてるケースがあるので、よく見て選ぶようにして下さいね。
「確実に質の良いチーズを食べたい」という方は、チーズを専門に取り扱っている通販ショップで選びましょう。
僕はチーズ選びで失敗したくないので、「チーズ専門店のオーダーチーズ」をよく利用します。
注文後に海外から輸入してくれるため品質はたしかですし、送料は一律900円(15,000円以上購入すれば無料)なので安心して利用できます。もちろんスティルトンも取り扱っています。他にもカマンベールやゴーダなどの定番から珍しいチーズまで品揃え豊富に揃っているので、見ているだけでも楽しいですよ。
是非、一度のぞいてみて下さい。
スティルトンはブルーチーズの中で抜群に食べやすい
使っている生乳の質が良いせいなのか、ミルクの甘みが口いっぱいに広がると共に、青カビの酸味もはっきり感じることができるチーズでした。
スティルトンのおさらい
- イギリスの厳しい審査を通らないと名乗れない
- ゴルゴンゾーラよりミルク感があって食べやすい
- ピリッとした刺激が少なく、ブルーチーズ入門に最適
今まで色々なチーズを食べてきましたが、スティルトンは「カマンベールとゴルゴンゾーラの良いとこ取り」みたいな味わいだと思いました。
100グラム1,500円ほどと少しお高いですが、他のチーズでは味わえない香りと旨みを堪能することができますよ。ぜひ、家族や友人と上等な赤ワインと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、楽しいチーズLIFEを!!