パンの知識や理解力を確かめるのに最適なのが、パンシェルジュ検定です。
当記事では、パンの専門知識が求められる【パンシェルジュ検定2級】(通称:パンシェルジュプロフェッショナル)合格を目指す人に向けた内容となっています。
こんな方におすすめの記事
- パンシェルジュ検定2級合格を目指す人
- 3級に合格したけど、2級に挑戦しようか迷っている人
- 実際に2級合格した人の意見を聞きたい
パンブロガーのふくともです。
2019年9月8日に晴れて「パンシェルジュ検定2級」に合格した僕から、試験の難易度や問題傾向、おさえておきたいポイントなどを詳しくお伝えしていきます。
当記事の内容
- 2級試験の出題範囲
- 受けてみての感想【難易度・出題傾向など】
- 合格を目指す人におすすめの勉強法
結論から言うと【3級試験の2倍くらい勉強しないと合格は難しい】です。
出題範囲がグッと広がり、パンメーカーや小麦の精製法、コーヒー、紅茶、ワインの知識も求められるので覚えることが山積みです。とはいえ、公式テキストの内容をしっかり理解できれば誰でも受かる試験かなと思っています。
実際に2級試験に合格した僕なので、合格に向けて役に立つアドバイスをお伝え出来るかと思っています。
当記事が、少しでもパンシェルジュ検定2級合格を目指すあなたの助けになれば幸いです。
パンシェルジュ検定とは?【実施要項・難易度・合格ライン】
パンの総合的な知識や理解力が試される試験となります。
2級合格を目指している方には、説明は不要かと思いますので、詳細を知りたいという方は公式サイトおよび、3級試験の合格指南記事をご覧ください。
試験日は年2回開催されています。直近は以下の通りです。
受付期間と試験日
試験 | 受付期間 | 試験日 |
第20回 | 2019年10月31日(木) ~ 2020年2月5日(水) | 2020年3月15日(日) |
— パンシェルジュ委員長 (@pancierge) November 5, 2019
第20回パンシェルジュ検定の申し込みがスタートしております!現在インターネット限定で早割を実施中ですのでこの機会にぜひお得にお申し込みください!https://t.co/jjuyR9sDuE
続いて、パンシェルジュ検定2級の実施要項・合格ラインや合格率などをまとめてみましたので、合わせてご覧下さい。
実施要項
検定名 |
パンシェルジュ検定2級(パンシェルジュプロフェッショナル) |
開催エリア |
札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・岡山・福岡 |
試験概要 |
パンの歴史・材料・器具・文化・マナー・衛生 (ここまで3級の出題範囲) |
受験資格 |
誰でも受験可能 |
受験料(税込) |
5,900円 |
主催 |
パンシェルジュ検定運営委員会 |
申し込み受付 | https://www.kentei-uketsuke.com/pancierge/ |
合格ライン・合格率
出題形式 |
マークシート形式 |
合格ライン |
100点満点中、70点以上 |
合格率 |
62% |
パンシェルジュ検定2級試験の申し込みは公式サイトからどうぞ。
外部リンクパンシェルジュ検定申し込み(公式サイト)
スタートラインに立つためには公式テキストが必須
パンシェルジュ検定3級と同様に、問題の出題範囲は公式テキストに書かれているからですね。
残念ながら直感で受かるほど甘い試験ではないので、意地を張らずに公式テキストを購入してから挑みましょう。
なお、2級公式テキストには「改定版」と「新装版」の2種類があります。
「新装版」の方が新しいですが、内容はほぼ変わらないので、すでに持っているようなら買い直さなくても大丈夫ですよ。
2級試験の出題範囲は幅広い【個人的難関は3つでした】
パンシェルジュ検定2級では、7つのカテゴリーが出題範囲として追加されます。
追加される出題範囲
- パンのマーケット:パンの消費、生産、価格、流通
- パンのトレンド:近代におけるパン文化のトレンド
- 小麦を学ぶ:小麦の成分、精製方法、品種
- パンの世界が広がる材料:フィリングやトッピング
- パンづくりの工程:2級編:パンづくりの製法
- パンとのコンビネーション:コーヒー、紅茶、ワイン
- 天然酵母を知る:酵母や発酵の仕組み
上記以外にも3級の問題も出るので、出題される範囲は幅広いものとなっています。
僕が2級のカテゴリーの中で、特に難しいなと感じたのが「パンのマーケット」「小麦を学ぶ」「パンとのコンビネーション」の3つ。実際、試験で間違える率も高かったですね。
どのような点が難しいと感じられたのか具体的に解説していきますので、ご覧ください。
難関1:パンのマーケット
パン業界の市場にまつわる問題が多く出題されます。
パンのマーケットが難しい理由は「数字やグラフが多いこと」ですね。
計算問題が無いのは救いでしたが、とにかく数字を覚えないといけないので記憶力が試されます。
例えば、以下の感じです。
- 世界のパンの価格水準
- 小麦の時給率
- パンメーカーのシェアや売上高
数字を記憶するのが得意という人なら苦ではないかもしれませんが、パンメーカーと紐付けて覚えたりしないといけない点もあって僕は苦手でしたね。
「山崎製パン」は売上高は1位だけど、売上高にパンの占める率は「神戸屋」が一番多いとか…業界人じゃないと知らない問題が多数出てきます。
難関2:小麦を学ぶ
この章では、小麦の成分や精製方法を理解しないといけません。
小麦を製粉する際の工程順を覚えたり、小麦の部位(胚乳、胚芽、表皮)に含まれる栄養成分やグルテンの構造など眠くなりそうな問題ばかりで苦戦しました。
例えば、胚乳の成分にはリジンが少ない、胚芽にはリジンとロイシンが多いとか…呪文を唱えているような気分になりますが、しっかりと問題に出てくるので覚えないとダメなんです。
難関3:パンとのコンビネーション
パンとのコンビネーションとは、要するに「パンに合う飲み物」を指します。
具体的には以下3つの知識が試されます。
- コーヒー
- 紅茶
- ワイン
もはや、パンと関係無いじゃないか!と、ツッコミたくなる気持ちをグッと押さえましょう(笑)
出題される内容としては、コーヒーや紅茶の産地や味わいの特長に始まり、ワインに使われるブドウの品種や味の表現、相性の良いパンなどです。
ソムリエを目指している人やワイン通でもない限り、ワインの味の表現で品種を紐付けるのは困難かなと思いますが…先入観を無くして暗記するしかありません。
受けてみての感想【難易度・出題傾向など】
3級は1ヶ月短期集中して公式テキストを読むだけで合格できましたが、2級は4ヶ月勉強して合格点ギリギリという結果でした…。途中で少しサボってしまったのも悪かったのですが、それにしても難しかったですね。
2級の公式テキストはページ数が3級公式テキストと比べて50ページほど多く読むだけでも大変なんですが、出題範囲に3級の問題も含まれるので、2級だけでなく3級の問題も予習しておく必要があります。
実際に公式テキスト読んでみると、以下の点にも大きな違いがあるなと感じました。
3級とココが違う
・文章がお固い(読みづらい)
・イラスト少なめ
・文字数が多い
・専門用語が多め(知識必須)
3級合格者向けの試験なので、当然といえば当然なんですが、公式テキストの内容を理解するだけでも頭使います。
僕みたいに読書が好きなら問題無いですが、普段あまり本を読まない人だと読破するだけでも苦労するかも。
パンシェルジュ検定2級:合格指南
パンシェルジュ検定2級合格を目指すあなたのために、ちょっとしたアドバイスをまとめてみました。
結論として、公式テキストをベースにとにかく予習・復習あるのみです。
2級合格に向けての学習方法【必ずノートに書こう】
僕は以下のような勉強方法で2級試験に合格しました。
3級試験合格レベルの知識がある方であれば、大体3ヶ月集中すれば2級も受かると思いますよ。
学習方法
- 公式テキストをすべて読む(自信が無い場合は2回)
- 模擬試験をやってみる
- 間違えた問題をノートに書き写して復習
- もう一回読み直す
- 模擬試験で「95点以上」取れるまで繰り返す
- 苦手な章を何度も読み直して覚える
最初は難関は「公式テキストを最後まで読めるかどうか」です。
1日1章ペースで良いので計画的に読み進めていきましょう。そうすれば1週間で読み終わりますよ。
読み終えたら、あとは模擬試験を繰り返して100点目指して何度も復習するのみ。なお、100点取れたからといって油断してはダメです。当然ながら同じ問題が出るとは限らないので、しっかり内容を覚えるまで読み直しましょう。「千里の道も一歩から」ですよ。
重点的に押さえておきたいポイント
絶対とは言い切れませんが、以下に関する問題が多かったなという印象です。
重点ポイント
- パンメーカーごとの特長:説明から企業や商品名を当てる問題が多い
- 小麦の製粉方法と栄養:種類(~系)、国産小麦の性質、製粉工程名称
- イギリスパン、ブリオッシュ、ナンの製法:作る時の準備や注意点、成形方法
- コーヒー、紅茶、ワイン全般:産地や特長、成分、淹れ方、食べ合わせ
- 酵素分解の仕組み:酵素がどのように分解されていくか問われる
- 天然酵母の種類や作り方:液種の作り方や特長から商品名を当てる問題が出た
上記はあくまで一例です。
公式テキストすべてが出題範囲なので油断は禁物。特に専門用語や成分の違いなどは出題されやすいのでしっかり記憶しておきましょう。
3級の公式テキストは軽く読み直すくらいで良い
出題範囲はパンシェルジュ検定3級の内容も含むとなってますが、正直1回公式テキストを読み直すか、模擬試験をやるくらいで十分です。
2級の試験問題(全100問)を見返してみたところ、3級から出題された問題は8問くらいでした。思った以上に少ないですよね。
その方が高得点を狙いやすいと思いますよ。
パンシェルジュ検定試験当日の注意点
試験当日は会場内に30分前に入って予習しておくことをおすすめします。
特に暗記問題はど忘れしてしまう可能性が高いので、公式テキストに付箋を貼るなどして即チェックできるようにしておくと良いですね。
アドバイス
- 試験開始30分前には会場入りしておこう
- 公式テキストは必ず持参しよう
- 試験中は自己採点用に問題用紙にもチェックしよう
なお、試験翌週あたりになると公式サイトで試験回答が公表されます。
問題用紙にチェックしておけば早い段階で答え合わせできますので、事前に合格可否を知ることが可能。
結果メールが届くまで待つのって精神的にもつらいので、心の平穏を保つためにぜひ活用してみてくださいね。
【実際にやってみよう】パンシェルジュ2級問題:一例をご紹介
実際の問題より僕が難しいなと感じたものをいくつか抜粋しました。
受験しようか悩んでいる人にとっては「なにこれ、わからん…」って感じかもですが、最初は皆同じです。
さぁ、試しにやってみましょう!
問1:次のうち、でんぷんの糊化に関する記述として正しいものはどれか。
- でんぷんの水分が蒸発して固体化した状態を糊化という
- でんぷんの糊化は約30℃で始まる
- 焼成中は温度の上昇とともに糊化は穏やかになる
- でんぷんは糊化によって人体での消化吸収が可能になる
問2:小麦の製粉の工程において、次のうち、「精選」ではなく「純化」の際に使われる機械はどれか。
- セパレーター
- サドルカーン
- ロータリーカーン
- ピュリファイヤー
問3:次のうち、食パンに使われる単位「斤」についての記述として正しいものはどれか。
- 現在、規約により、1斤は340g以上が基準とされている
- イギリスから伝わったため、1斤はイギリスポンド=450gが基準となっている
- 明治期に尺貫法の斤=約600gが1斤の重さに定められ現在まで続いている
- 市販の食パンは2斤以上の単位でなければならない
問4:ワインの中でも「シェリー」や「ポートワイン」は、次のうちどれに分類されるか。
- スティルワイン
- ポートワイン
- フォーティファイドワイン
- ファインワイン
問5:自家製酵母を起こす際などに使う、フルーツやハーブなど、酵母菌の種を培養する原材料となるものを何というか。
- 栽地
- 養地
- 育地
- 培地
正解は、以下の「+」アイコンをクリックすると表示されます。
難しいですよね。3級と比べて問題文に専門用語が多用されるので、理解しないと始まりません。
とはいえ、逆を返せば公式テキストに全て書いてあることなので、熟読すれば誰でも受かるってことです。今はわからなくても努力次第でなんとかなりますよ。
僕の学習期間は3ヶ月でしたが、短期集中が得意な人なら2ヶ月くらいでも十分かもですね。
あまり時間をかけすぎると忘れてしまいますし、モチベーションも下がるので、長くて3ヶ月~4ヶ月が良いと思いますよ。
まとめ:パンシェルジュ検定2級合格に向けて計画的に学習しよう!
3級と比べて難易度は違えど、やるべきことは変わりません。
とにかく公式テキストを読み込んで、わからなかった問題はノートに書き出して覚えまくりましょう!
幸いなことに、パンシェルジュ検定は計算問題が少ない(ベーガーズパーセントくらいかな?)ので、僕のように数式を覚えるのが苦手な人には向いているかもです。
おさらい
・公式テキストは必須【無いと受からないレベル】
・専門用語の意味や特長を理解しよう
・3級の復習よりも2級の内容をしっかり覚えよう
2級の合格ラインは「100点満点中、70点以上」です。
みっちり覚えれなくても受かる水準になっていますので、知識ゼロスタートでも頑張り次第でどうにかなりますよ。
ぜひ、パン好きなら挑戦してみましょう!
それでは、楽しいパンLIFEを!!