パンを手作りする際に必要な道具の中でもっと重要かつ高価なものが『オーブンレンジ』です。
当記事では、パンを焼くという目線で考えた時にどのオーブンレンジを選ぶのが最良かお伝えしていきます。
※2024年11月時点の情報で更新しました。
こんな方におすすめの記事
- 手作りパンに最適なオーブンを知りたい
- オーブンの種類が多くて選ぶ基準がわからない
- 相対的に性能を比較してオーブンを選びたい
僕自身、自宅でパンを焼き続けて3年以上経ちますが、そろそろオーブンレンジを買い替えたいと強く思っている今日この頃です。
そこで「パンを焼くことを考えた時にどのオーブンレンジが最良なんだろう?」と思いたち、各メーカーのオーブンレンジの『機能』『最大火力』『サイズ』といった各性能を徹底比較してみることにしました。
我が家のオーブンレンジを買い替える目的でまとめた情報とはなりますが、オーブンレンジを選ぶ際の参考になるかと思いブログで公開することにしました。
買い替えを検討しているあなたの参考になれば幸いです。
総合的に見て、ご家庭でのパン焼きにおすすめしたい機種ですね。
具体的な理由は記事内で詳しく解説しています。性能の違いを比較する気持ちでご覧下さい。
※当記事でご紹介するのは『電気オーブンレンジ』のみとなります。
パンを焼く際に重要なオーブンレンジの性能とは?
パンを焼くという観点で性能比較を行う前に『我が家のオーブンレンジの不満なところ』を整理してみました。
ちなみに我が家のオーブンは【TOSHIBA ER-J3A】(販売終了品)という庫内サイズ『17リットル』の中型オーブンを使用していました。
不満要素 | 具体的な理由 |
オーブンサイズが小さい | 一度にたくさんのパンが焼けない(天板が2段ほしい) |
スチーム機能がない | 霧吹きでスチームを行う必要があって少し手間 |
火力が弱い(最大250℃) | 火力が出ないので、バゲットがパリッと仕上がらない |
予熱に時間が掛かる | 予熱に20分くらい掛かるので、パンの発酵調整が難しい |
大きくあげると上記の4つです。
特にオーブンサイズが小さいのが致命的なのですが、今はオーブン内にバターロール5個しか入らないほど狭く、10個作る場合は2回に分けて焼く必要があったりします。時間と手間が掛かって非効率的なんですよね。
僕の不満要素を踏まえて、以下の性能を各メーカー毎に評価して分析してみることにしました。
比較対象の性能
・オーブン庫内サイズ
・設定可能温度
・スチーム機能有無
・予熱時間
・オーブンの寸法(幅×奥行×高さ)
・年間消費電気量
・値段(平均価格)
各社のおすすめオーブンレンジ性能を比較
選定基準は『スチーム機能を有しており、庫内サイズが30リットル以上のオーブンレンジであること』です。
大手メーカーから発売しているオーブンから最もパン作りに適した商品をリサーチして選定しましたので、ご覧ください。
メーカー名 | 商品名 | おすすめ度(5段階評価) |
日立 | ヘルシーシェフ【MRO-W1C】 | ★★★★ |
パナソニック | ビストロ【NE-BS8C】 | ★★★★ |
東芝 | 石窯ドーム【ER-YD3000】 | ★★★★★ |
シャープ | ヘルシオ【AX-NS1A】 | ★★★ |
リサーチの結果、『東芝 石窯ドーム』が最もパンを焼くという観点で最良の選択肢だということがわかりました。
おすすめ度の根拠も踏まえて各商品毎に解説していきます。気になる商品からご覧下さい。
日立:ヘルシーシェフ【MRO-W1C】
総庫内サイズ | 30リットル |
オーブンの寸法 | 幅49.7cm/奥行44.2cm/高さ37.5cm |
設定可能温度 | 100~250℃、300℃、310℃ |
天板の段数 | 2段 |
予熱時間 | 200℃まで約4分50秒 |
年間消費電気量 | 70.5kWh/年 |
値段(平均価格) | 60,000円 |
日立の『ヘルシーシェフ』の特徴として、重さと温度を測って自動調整してくれる独自技術『Wスキャン』が搭載されています。
よくあるレンジ解凍時の解凍ムラが防げたり、オーブン調理時に均一に火を通してくれたりと便利です。
パンを焼くという観点では『予熱時間が短い点に注目』ですね!家庭用オーブンレンジの予熱時間は『8~10分』が多い中、ヘルシーシェフは200℃なら『4分50秒』で予熱できます。早すぎて驚き。
また、好みのタイミングでスチームを噴射できる『スチームショット機能』があるのもポイントが高い点!
ほとんどの機種は機械にお任せとなっており、自分でコントロールできませんが、ヘルシーシェフだと任意のタイミングで1分~3分間スチームを噴射できます。特にスチーム噴射タイミングがキモになるフランスパン作りで便利な機能となっています。
多機能なだけでなく、デザイン的にも無駄なボタンが少なくスタイリッシュなので、見た目にもこだわりたい方にオススメですね。
パナソニック:ビストロ【NE-BS8C】
総庫内サイズ | 30リットル |
オーブンの寸法 | 幅49.4cm/奥行44.5cm/高さ37.0cm |
設定可能温度 | 70~300℃ |
天板の段数 | 2段 |
予熱時間 | 200℃7分/250℃14分/300℃30分 |
年間消費電気量 | 70.2kWh/年 |
値段(平均価格) | 77,000円 |
パナソニックから発売されているビストロは『省エネ』なのが魅力です。
地味に嬉しいのが、オーブン温度を『70℃~300℃』まで細かく設定できる点。
パンの温度設定って焼け具合によって細かく変えていきたいので、幅広く設定できる方が助かります。他メーカーだと『260~290℃』といった細かい温度設定が出来ない機種が多いですよね。
30Lタイプの高性能オーブンの中では値段は平均的。高さが他モデルと比べて少し低めなので、小スペースに配置したい人にはもってこいです。
東芝:石窯ドーム【ER-YD3000】
総庫内サイズ | 30L |
オーブンの寸法 | 幅49.8cm/奥行39.9cm/高さ39.6cm |
設定可能温度 | 100~300℃ |
天板の段数 | 2段 |
予熱時間 | 200℃ 8分/250℃ 14分/300℃22分 |
年間消費電気量 | 73.5kWh/年 |
値段(平均価格) | 58,000円 |
『東芝 石窯ドーム』は自宅でパンを焼く人~パン教室の先生まで幅広い層に支持されている人気機種です。
パン好きさんなら、一度はCMやお店で見かけたことあるんじゃないでしょうか。
石窯ドームは、内側の熱を効率よく循環させる仕組みとなっていて、パンの焼きムラが少なくキレイに仕上げることができます。
オーブンの温度設定も『100~300℃』の範囲で細かく設定できるようになっており、微妙な温度設定が大切なパン焼きにぴったりですね。
なお、ご紹介した「ER-YD3000」には最高温度350℃まで出せる上位機種が存在しますが、手作りパンを焼くだけなら300℃あれば十分。
値段も3~4万円以上高いので、お財布にも優しくありません。
ワンポイント
石窯ドームは、性能面だけでなく奥行き幅が小さいのもポイント。
さらに熱の排気口が後ろではなく上に付いているため、背面を壁にピッタリ付けても良い構造になっています。
ご家庭で使う場合、大型のオーブンレンジは置き場所を取って困ってしまいますよね。特に賃貸住宅だと場所も限られてしまい大変。
省スペースに配置できる石窯ドームなら「大きすぎて置けない」といった心配は少ないので、買い替える場合も選びやすいです。
性能と値段のバランスが良い人気機種なので、何が良いか迷ったら【石窯ドーム】を選んでおけば間違いないでしょう。
シャープ:ヘルシオ【AX-NS1A】
総庫内サイズ | 30L |
オーブンの寸法 | 幅50.0cm/奥行43.5cm/高さ39.0cm |
設定可能温度 | 100~250℃、300℃ |
天板の段数 | 2段 |
予熱時間 | 200℃8分/250℃14分 |
年間消費電気量 | 73.5kWh/年 |
値段(平均価格) | 90,000円 |
最後にご紹介するのはシャープのウォーターオーブン『ヘルシオ』です。
ウォーターオーブンって何??と思う方が多いかもしれませんので軽く説明しますと、水蒸気の力で食品を加熱できる画期的なオーブンです。
一般的なヒーターで加熱するオーブンと違い、水蒸気加熱は食品に水分を与えながら加熱することで野菜やお肉に旨みや甘みを閉じ込める効果があります。
また、独創的なデザインでインテリア性で高くキッチンに置いても映えます。スマホ連動でレシピや材料の共有ができたりと便利ですが、高性能過ぎるためか値段が少々高いのがネックとなっています。
パンを焼く目的だけならハイスペック過ぎますが、料理の幅もワンランクアップしたいという方は検討してもいいですね。
ご家庭で手作りパンをより楽しむなら『東芝 石窯ドーム』が最良です
比較検討した結果、僕的には『東芝 石窯ドーム』をおすすめします。
なお、『日立 ヘルシーシェフ』もパン焼きに適した性能で非常に迷いました。
どちらもパン作りにほしい機能が惜しげもなく実装されているので、電気オーブンレンジの最終到達点といっても過言ではありませんが、少しだけ機能差があります。
ヘルシーシェフのメリット:予熱時間が短い・スチームを好きな時に噴射できる
石窯ドームのメリット:細かい温度調整が可能・奥行きが小さく設置しやすい
マジで甲乙付け難しでしたが、個人的に『高性能なのに小スペースで設置できる点』を評価して石窯ドームを選びました。
どうしてもオーブンレンジって場所取りますからね。小スペースで設置できるのはメリット大きいです。
今回は導入のしやすさから石窯ドームを選びましたが、予熱時間が短い方が効率よくパン焼きたい・なるべく時短したい人はヘルシーシェフもご検討ください。
2020/12/30追記:石窯ドーム購入!
使ってみると納得の性能と使用感!!買って大正解でした。
レビュー記事を書いてますので、少しでも参考になれば幸いです。
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【東芝 石窯ドームER-VD3000】パン焼き特化のオーブンレンジを徹底レビュー
続きを見る
たしかにオーブンレンジに7~8万円以上かけるのは勇気のいる選択です。
とはいえ、ケチって安価なオーブンレンジで妥協してしまうと「パンが全然入らない!」「焼きムラができて見た目が悪い」「スチーム機能が無くて困る」など、パン作りをするうえで不便なことが多いのも事実なんです。
僕も石窯ドームを購入するまではパンを焼きすぎて焦がすことが多かったですが、買い替えてからはそんな心配が一切なくなりストレスフリー。同じ悩みを抱えてるなら買いですよ。
また、時期によって型落ちモデルが安く買える場合もあります。楽天市場やAmazonでじっくり比較して選んでみてくださいね。
おすすめはコレ
必須じゃないけど高性能オーブンレンジがあるとパン作りは快適
勘違いのないように言いますが、高性能オーブンレンジがないとパン作りができないわけではありません。
「こんなに高いオーブンいきなり買えないよ!」という人は、高性能のオーブンレンジを無理に買わずとも『23L』クラスの中型オーブンレンジから始めても大丈夫です。
ただ、パン作りの沼にハマるといつか物足りないと感じる日が来るのは間違いありません。
そうなって買い替えるくらいなら、最初にずっと使えるオーブンレンジで焼き続けて慣れた方が効率的なんですよね。
まとめ:パンを焼くならオーブンレンジの性能を比較して選ぼう!
当記事でご紹介したオーブンレンジの性能比較結果は参考になりましたでしょうか。
調査をした動機は個人的に評価することが目的でしたが、客観的意見でまとめるように努めました。
少しでもあなたのオーブンレンジ選びの参考になれば幸いです。
僕はパン作りを始める前にオーブンレンジを買ってしまった残念な人間ですが、こうして各メーカーのオーブン性能をリサーチしてみると雲泥の差があることを改めて理解させられますね。うーん、今すぐにでも買い替えたい気分。
最後に僕から言えることは、性能が良いオーブンを使った方がパン作りで余計な労力を使わないで済みますし、上達が早くなるということです。かゆいところに手が届くので、パンを焼くことが楽しくなるのは間違いありませんよ!