こんにちは、パンブロガーのふくともです。
先日、パンに関するこんなアンケート結果が出ていました。
アンケート内容は以下の2点についてです。
アンケート内容
- ベーカリーでパンを購入する頻度は?
- もっとも利用するベーカリーの場所は?
アンケートを行ったのは「マイボイスコム」という伊藤忠グループのリサーチ会社。実は過去2014年・2016年にも同じアンケートが実施されており、今回は2019年度版の内容となっています。
当記事では、計3回のアンケート結果を基に「パン業界の市場動向を僕なりに分析」してみました。
先に結論を言うと「専門店のパンが好まれる時代」「日常食というよりご褒美感覚になりつつある」ようです。
あくまでアンケートベースなので100%正しいってことはないですが、僕が感じている肌感とは近い結果になっているのかなと思っています。
どうぞ、ご覧ください。
【はじめに】2019年パンのトレンドはコレ
2019年はパン業界にとってどんな年だったのでしょうか?
以下の記事で、2019年のパンのトレンドについてJBM(ジャパンベーカリーマーケティング)の岸本拓也代表が語ってくれているのでご覧ください。
要約すると以下の通り。
2019年のトレンド
- 特化型店舗が急増中
- 個性が強いお店が流行る時代
- 次はカレーパン・あん食パン特化が流行ると予想
以前は乃が美(のがみ)の一人勝ち状態でしたが、今では選びきれないくらい高級食パンのお店が出てきています。例えば「銀座に志かわ」や「嵜本」も有名ですね。
岸本拓也代表が手掛けた「考えた人すごいわ」「くちどけの朝じゃなきゃ!!」のようなぶっ飛んだ名前の専門店も出てきており、ただいま高級食パン戦国時代突入中です。端的にいうとカオス。
特化型店舗ブームは今後も続く【バリエーションが増える】
すでにご存知かもですが、今や食パンのみならず特定のパンだけを販売する特化型店舗が増えつつありますね。
例をいくつか挙げてみます。
上記の通り、食パン以外にも特化したお店がどんどん出店されています。選択肢が増えて楽しみですね。
そろそろ食パン専門店は飽和状態なので、増加は一旦落ち着くだろうと推測しています。
個人的には、タピオカドリンクに飽きた頃に「タピオカ粉」を使ったもちもちパンが来るじゃないかと予想。
ストレートに「タピオカパン専門店」とか付けたら売れそうな気がしますが、どうでしょうか…攻めすぎ?(笑)
特化型の店舗は何故人気なの?
商品を限定した方がメリットが多いからです。
特化型のメリット
- インパクトがある(イメージしやすい)
- こだわりを感じる(ブランド力アップ)
- 仕入れや在庫管理が楽
- 技術習得しやすい
- 購入者が迷わない
- 手土産に最適(話題性)
ざっと考えただけでも、山ほど出てきました。
お互いに得ばかりなんですね。
今は個性を出さないと生き残るのは難しい時代。種類増やして器用貧乏になるよりは、ひとつの商品に徹底フォーカスした方が購買層に刺さります。
パンの種類にこだわるスタイルだとライバル強すぎて生き残りが難しいので、ここしばらくは特化型スタイルが主流になりそうですね。
パン専門店利用に関するアンケートを分析
2019年のトレンドを理解してもらったところで、アンケートの結果に戻ります。
マイボイスコムが実施したアンケートは、2014年・2016年・2019年の計3回です。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
参考リンク
マイボイスコムが提供するサービスMyEL(ミエル)はモニター数と分析力が圧倒的。情報分析に活用している企業も多くいます。
当アンケートは10,000人以上のモニターに聞いた結果なので、信憑性は高いと思いますよ。
ベーカリーでパンを購入する頻度:5年でどう変わった?
Q:あなたは、ベーカリー専門店でどのくらいの頻度でパンを購入しますか。
ベーカリー専門店の定義ですが、店内で焼いたパンを直接販売する専門店が対象です。
工場で作ったパンを販売するお店は対象外で、アンデルセンやリトルマーメイドといった店内でパンを焼いてるチェーン店は対象となります。
アンケート結果より傾向を分析した結果がこちら。
2014年 | 2016年 | 2019年 | 傾向分析 | |
ほぼ毎日 | 0.7 | 1.1 | 0.5 | やや減少 |
週4~5回程度 | 1.5 | 1.5 | 1.1 | やや減少 |
週2~3回程度 | 7.1 | 6.9 | 6.0 | やや減少 |
週1回程度 | 14.8 | 14.3 | 12.1 | 大きく減少 |
月2~3回程度 | 17.5 | 16.1 | 16.0 | 変化なし |
月1回程度 | 16.0 | 16.0 | 17.1 | やや増加 |
年数回程度 | 22.6 | 21.7 | 24.5 | 大きく増加 |
専門店では買わない | 20.0 | 22.5 | 22.7 | 変化なし |
※出典元:MyEL
5年で起こった変化
・日常的にパンを食べる人が減ってる
・不定期にパンを食べる人が増えた
パンを毎日食べる人が減っているのは意外かもですが、背景には「糖質制限ブーム」「無添加志向」があるように思われます。
僕の周りでも、お昼に主食を抜いてサラダだけって人や夕食はおかずと汁物で腹を満たす人が増えてますね。
あとは最近のパンの傾向として「高級路線」になっているのも影響してそうです。
あくまで推測ですが、月1回や年数回という人は外出時にちょっと高いパン食べるって人なのかもしれません。
高級食パンや発酵バターのクロワッサンは超が付くほど食べたい!
けど、お財布が寂しい…。
だったら、たまに外食する日くらい贅沢したっていいじゃないって考えちゃいますよね。
最も利用するベーカリーの場所:5年でどう変わった?
Q:あなたは、どのような場所にあるベーカリー専門店を最もよく利用しますか。
当然ですが、パンを購入している人にだけ聞いています。
結果は以下の通り。
2014年 | 2016年 | 2019年 | 傾向分析 | |
スーパー・ショッピングセンター・百貨店内 | 47.4 | 59.8 | 58.5 | 2016年がピーク |
路面店(他施設内店舗ではない) | 20.3 | 27.2 | 30.4 | 年々増えている |
駅構内にある店舗 | 20.1 | 9.4 | 8.2 | 駅構内の専門店は人気ない? |
※出典元:MyEL
詳しい理由は不明なんですが、駅構内にある専門店は2016年を境に急激に減っており、変わりに路面店の需要が大きくなってきていますね。
5年で起こった変化
・路面店に需要が集中
・駅構内の専門店は不人気
駅構内のお店で思いつくのは「神戸屋」「アンデルセン」といったチェーン店です。
アンケートの結果だけ見ると、チェーン店よりも個人経営のお店が好まれているように見受けられます。
あくまで予想ですが、「高級路線」や「特化型」のパンブームで日常的にチェーン店でパンを買う人が減り、休日や外出時に路面店で「ちょっと高いけど、贅沢しちゃおうかな」って考える人が増えているのではないでしょうか。
個性を出すなら手作りパンが最適
パンに個性を求めるなら「手作り」して自分好みに仕上げてみるのも面白いですよ。
素人には無理なんじゃないの?って思われがちですが、決してそんなことはありません。
手作りの良いところ
- 材料は意外とシンプル
- 割とほったらかしで作れる
- 焼き立て0分のパンは格別!(やけど注意)
- 無添加パンも思うがまま
- 最高の手土産になる
結論として「パン作りは実用的で楽しい!」ってこと。これだけは僕が断言しちゃいます。
当ブログでは、手作りパンの基礎知識や失敗した時の対処方法など手厚くカバーした記事を書いています。
ちょっとでもパン作りに興味があるなら、以下の記事を読んでみてください。
-
初心者でもパンが作れる!ゼロから学ぶパン作りの基本知識
続きを見る
まとめ:パンは「個性」を楽しむ時代になってきた
昨今のトレンドとアンケートより分析した結果、以下のようになりました。
まとめ
- 特化した専門店のパンが好まれる時代
- 日常食というよりご褒美食になりつつある
- チェーン店は展開方法を考えないと苦しいかも
日常的に食べるパンは、スーパーやコンビニの安価なパンで済ませて、贅沢したい時は専門店の高級パンを買う…これが今の購買層の基本スタイルかなと思います。
ベーカリーで毎日パンを買う人が減ってきてるので、街のパン屋さんやチェーン店は厳しい時代になりそうです。
とはいえ、パン自体の需要が減ってはいないので、アイデア次第でなんとかなります。
今回は以上です。
あくまで個人的な分析となりましたが、数値から出した答えなので見当違いってことはないと思ってます。
当記事を読んで、少しでもパンのトレンドや傾向を理解していただけたなら幸いです。
それでは、楽しいパンLIFEを!!