手作りパンのノウハウ

手作りパンの表面が固くなりすぎた時の解消法【6つの原因を解説】

当記事では、パン作りを始めたばかりの初心者さん向けに【パンの表面が固くなってしまう原因と対処法】をお伝えします。

悩み事

  • 焼き上がったパンが石のように固い
  • クラストが厚くなりすぎてガチガチになる
  • 水分が抜けるのが早くておいしくない

上記の悩みに答えていきます。

こむぎ
なぜだかパンの表面が固くなる…。
柔らかく作りたいです。
原因はいくつか考えられますね。
何が悪いのか順番に見ていきましょう。
ふくとも

 

意図せずパンが固くなってしまうのは「材料・手順・焼き方のどこかに問題があるから」です。

2年ほど手作りパンを続けている僕から、固くなってしまう原因と対処法を解説していきます。ちょっとしたポイントに注意するだけで、理想的なやわらかさのパンを作れるようになりますので、諦めずに再トライしてみて下さいね。

当記事が、あなたのパン作りの悩み解決の糸口になれば幸いです。

表面が固いパンはおいしくないの?

固い仕上がりのパン

フランスパンは固い方が理想的

ズバリ言いますが、必ずしも「固いパン=おいしくない」ということではありません。

例えば、フランスパンの食感を思い出してみて下さい。

パン屋さんで売っている細くて長いバゲットってバリバリッとして固くないですか?この固くて噛みごたえがある食感が好きって人も多いですよね。

ふくとも
小麦の風味を活かす素朴なパンは、固く作るのがむしろ正解なんですよ。

固い方がおいしいパン

  • バゲット
  • ベーコンエピ
  • ブレッツェル

逆にフランスパンが柔らかくなってしまったら失敗です。その場合は、材料の配合をミスってる可能性が高いので、見直す必要がありますね。

 

話を戻しますが、パン表面の「クラスト」と呼ばれる茶色い部分が固すぎるとダメなのは、食パンやバターロール、コッペパンといった柔らかい食感を活かすパンの仲間たちです。これらのパンを焼き上げた時に表面が固くなってしまう場合は何らかの問題があると考えて良いでしょう。

当記事では、柔らかく仕上がるはずのパンが固くなったと仮定して、その原因と対処方法を順番に解説していきます。当てはまる項目が無いかチェックしながらご覧下さい。

 

パンの表面が固くなる6つの原因と解消法

パンが固くなる原因

本来柔らかく仕上がるはずのパンが固くなってしまう原因は、正直色々なケースが考えられます。

あなたがパンを作っている姿を直接見ない限りは、僕から「絶対にこれが原因だ!」という答えをお伝えできないのが残念なところですが、考えうる原因を6つお伝えしていきます。

パンが固くなる原因

  1. パンを柔らかく仕上げる材料が足りない
  2. 発酵に失敗している
  3. パン生地の内部温度が不適切
  4. パン生地が乾燥している
  5. パン生地が湿りすぎている
  6. 焼く時間を伸ばしてしまった

いずれの原因にも「解消するための対応策」を添えています。絶対とは言い切れませんが、ポイントを押さえておけば最初よりは上手く作れるようになるはずです。ぜひ参考にしてみて下さいね。

 

原因1:パンを柔らかく仕上げる材料が足りない

パンとは、シンプルな材料であればあるほど表面(クラスト)が固くなります。

ふわっとした柔らかいパンを作るための材料が不足しているとどうあがいても固いパンになってしまうので注意してましょう。

もっともシンプルなパンのひとつバゲットは、「小麦粉・パン酵母・塩・水だけ」で作るのが一般的。余計な材料を加えないことで、固くて噛みごたえのあるクラストを生み出すことができるというわけなんですね。

 

原因1の解消方法

パンを柔らかく仕上げるには、以下3つの材料を加える(増やす)ようにしましょう。

  • 油脂(バター、マーガリン)
  • 乳製品

バターやマーガリンを代表とする油脂類や乳製品・卵といった材料を加えることで、パン生地をやわらかくしたり、保水性を良くしてパンの老化を抑えるといった効果が期待されます。

ただし、元レシピから大きく材料の割合を変えてしまうと仕上がりが完全に別物になってしまうので、調整するにしても5~10g程度にとどめておきましょう。

 

原因2:発酵に失敗している

材料が合っているのに固くなってしまうと言うことは「発酵が上手くいっていない」可能性が高いです。

発酵に失敗していると、焼いた時にパン生地が膨らんでくれず、目が詰まったギュッと固いパンになってしまいます。時間をかけて作ったのになんだかガッカリしますよね。

こむぎ
キレイに膨らませるにはどうしたら良いか教えて下さい!

 

原因2の解消方法

発酵時には、混ぜ方・こね方・温度管理など気をつけなければいけない事がたくさんあります。

いくつか、よくあるNG事例をご紹介します。

NG行動

・発酵温度が低すぎる

・こね方が全然足りていない

・パン生地を必要以上に触ってる

上記は、ごく一部です。

詳細は以下の記事にまとめています。発酵に失敗してパンが膨らまない原因を徹底調査&解説していますので、参考になりますよ。

 

原因3:パン生地の内部温度が不適切

パン生地をこねた後に生地自体の温度を測ったことはありますか?

実はパン生地には適正温度というものがあるんですが、あまりに温度が高かったり、低かったりすると以下のような問題が起きてしまうんです。

パン生地の温度が「高すぎる」場合 焼く前に発酵が進んでしまい、ボリュームが出ずに固く仕上がる
パン生地の温度が「低すぎる」場合 焼いた時にクラストの温度が急激に上がり固く仕上がる
こむぎ
高くなる原因はこね過ぎた時だと思うのですが、低くなる原因ってなんですか?
冷蔵庫などで低温発酵させた時になりがちですね。
あとは冬場で室温が極端に寒い時です。
ふくとも

 

原因3の解消方法

単純にこね上げた時の温度を測るようにすれば解決です。

パン生地の理想温度は【28~30℃】です。この範囲になっていたら「今日は上手にこねることが出来たな」と自分を褒めてあげましょう。

温度計は料理用のものが売っています。大型スーパーやキッチン雑貨のお店を探せば簡単に見つかりますよ。

僕はタニタの温度計を愛用。見た目もポップなデザインで気に入っています。

 

原因4:パン生地が乾燥している

パン生地の表面が乾燥していると、焼いた時に全然膨らみません。

乾燥することで、パン生地の伸展性(伸びる力)が失われてしまっているからなんです。また、内側からの急激な膨らもうとする力に耐えきれずに側面が裂けてしまうなんてこともあります。

極端に言えばタイヤに空気を入れすぎてパンクするような感じでしょうか。おぉ、コワイ…。

 

原因4の解消方法

パン生地が乾燥してしまうのは、表面の水分が蒸発(気化)してしまったからです。

洗った食器も置いておけば乾くのと同じで、焼く前のパン記事を外気にさらしておけばカラカラになってしまいます。

発酵時はボウルに必ずラップをかけたり、ベンチタイムには固く絞った濡れふきんを被せるなど工夫しましょう。

 

原因5:パン生地が湿りすぎている

こむぎ
えっ?湿りすぎもダメなんですか?

そうなんです。パン生地の表面の水分が多く湿った状態のままオーブンで焼いてしまうと、パン生地の外側のクラスト部分が厚くなってしまい、固いパンになりがちです。

厚くなる原因は焼く際に生じるパン生地の変化が密接に関係しています。パン生地をオーブンで焼くと水分が膨潤して、糊(のり)状に変化していきます。この現状を糊化(こか)といいます。

糊化したパン生地がさらに高温で熱されると凝固して固くなり、パンの骨格を作り出すのです。この骨格形成のことを固化(こか)と呼んだりもしますね。

言葉でいうとよくわからないと思うので、絵にしてみました。

固化の仕組み

小難しい話ばかりしてもアレなので、簡単に言ってしまいますが「水分が多すぎると、固化したクラストが厚くなりがち」ってことだけ覚えておいて下さい。

 

原因5の解消方法

意図的に水をかけてしまったので無ければ、そもそも配合の段階で水分の割合が多すぎることが原因です。

一般的に小麦粉100%に対して水70%以下で調整することが多いのですが、フランスパンなどのハードブレッドは80%~100%加えて作るケースもあります。とはいえ、フランスパンは固く仕上げたいので、まったく問題無いですが、柔らかいパンを作りたいのであれば、もう少し水の量を減らすべきでしょう。

くれぐれもグラム(総量)ではなく、割合(%)なのでご注意下さい。水分の割合を知りたい時は「ベーカーズ・パーセント」という数式を用いて算出します。

詳しい計算方法や便利なアプリを以下の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さいね。

 

原因6:焼く時間を伸ばしてしまった

パンを焼く時にやってしまいがちなんですが、焼く時間を最初に設定したら途中で伸ばしてはいけません。

時間を変更して長く焼きすぎると、パン生地の表面に火が通り過ぎてしまい、ガチガチに固くなってしまう可能性があるんです。なので、参考にしているレシピに記載されている焼き時間は必ず守るようにして下さい。

 

原因6の解消方法

時間を伸ばしてしまう理由って「焼き色が付かない」のが一番の理由ではないでしょうか。

パンにきれいに焼き色を付けないのなら、時間を伸ばすのではなくて、温度を10~20℃上げるが正解です。また、家庭用オーブンだとどうしても焼きムラが出てしまいます。そういった時の対処方法としては、焼き途中で焼き色が薄いパンと濃いパンの場所を入れ替えるなど工夫するのが良いですね。

オーブンって機種や大きさでクセが出ます。レシピ通りの温度だと上手く焼き色が付かない(逆に焦げてしまう)場合もあるので、何回もパンを焼きつつ、適正温度がどのくらいか見定めていきましょう。

ふくとも
失敗したらメモ取ると良いですね。僕は失敗した箇所は書いて残すようにしています。

まとめ:ポイントに注意して固いパンから卒業しよう

固いパンから卒業した男性

6つほどパンの表面が固くなる原因と対策を紹介していきましたが、参考になりましたでしょうか。

ポイントのおさらい

  1. パンを柔らかく仕上げる材料が足りない
  2. 発酵に失敗している
  3. パン生地の内部温度が不適切
  4. パン生地が乾燥している
  5. パン生地が湿りすぎている
  6. 焼く時間を伸ばしてしまった

紹介したポイントに気をつければ、パンが固くて失敗するケースは回避できるようになりますので、頑張ってみて下さい。

ふくとも
失敗してもくじけないで。パン作りは楽しみながら継続することが大切ですよ。
はーい!さっそく再挑戦してみます。
こむぎ

それでは、楽しいパンLIFEを!!

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