あなたはパンの正しい保存方法をご存知でしょうか。
パンの保存方法を間違っていると翌日食べたパンが乾燥していたりして劇的にまずくなります。
正しい保存方法を知ればカピカピにパンを乾かしてしまうストレスから解放されますので、覚えておいて損はないノウハウです。
こんな方におすすめ
- パンの長期保存して美味しく食べたい人
- パンを買いすぎて腐らせてしまったことがある
- パンを手作りし過ぎて食べ切れそうにない…
あなたはパンを食べきれない時に『冷蔵庫』に入れて保存していませんか?
冷蔵庫(冷蔵室)はパンの保存に最も適さない場所です。パンの劣化を急激に早めてしまうので今すぐやめて下さい。
当記事では、パンを長く美味しく食べたいという悩みが解決できる保存方法をご紹介していきます。
独学でパンを2年ほど焼いている僕ですが、パンを作り過ぎて食べ切れないことが多くても正しい保存方法を実践することで1週間以上パンを日持ちさせることができるようになりました。
誰でも出来るやり方なので、ぜひ実践してみて下さい。
パンを冷蔵保存してはいけない!理由は水分が早く抜けるからです
タイトルで宣言している通り、パンを冷蔵庫で保存するのはパンを急激を劣化させる結果を招くのでやめた方が良いです。
冷蔵庫の温度は大体2~3℃なのですが、この温度はパンに含まれるでんぷんを急速に劣化させてしまう温度なのです。
でんぷんが劣化するとパン生地内の水分が抜けやすくなるので、必然的にパンが硬くなってまずくなります。
意外と知らない人が多いみたいなので、ご注意下さい。
僕の友人もパンの正しい保存方法を知らず冷蔵庫で保存しようとしていたので、速攻で止めました。
いやぁ、危うく一色即発になるところでした(笑)
もし、あなたの周りにも冷蔵庫でパンを保存しようとしている人を見かけたら優しくとめてあげて下さいね。
そもそもパンはなぜ劣化が早いのか?
他の食品と比べてパンの劣化する速度は非常に早いです。
パン屋さんでも当日中に売れなかったパンは、売り物にならなくて廃棄されてしまうんですよ。もったいないですよね…。
パンの劣化が早い理由は【水分が抜けて乾燥しやすいから】です。
最もシンプルなパンは「小麦粉・酵母・塩・水」だけで作ることが出来ますが、パン生地内の水分を留める力がほとんどありません。
例えば、買ったばかりのフランスパンはバリッとして美味しかったのに、翌朝はふにゃふにゃになっていたなんて経験はありませんか。これはパン生地内の水分が表面(クラスト)に吸われてしまったからなんですね。
実際にパンの種類別に美味しく食べられる期間を見ていきましょう。
パンの種類 | 常温で美味しく食べれる期間 |
フランスパン | 約1日 |
天然酵母のパン | 約5日間 |
ライ麦配合のパン | 約4日間 |
全粒粉配合のパン | 約2日間 |
食パン | 約3日間 |
シンプルな材料で作られているフランスパンが最も日持ちしません。
何故、このような差が出るのでしょうか?
主な要因は以下の2つです。
要因 | 差が出る理由 |
使用している酵母の種類 | イーストは劣化が早く、天然酵母だと日持ちする。(天然酵母はゆっくり発酵が進むことで熟成されるため) |
副材料の割合 | 砂糖・油脂・乳製品・卵が多く含まれているほど日持ちする。(保水性が良くなる) |
簡単に言ってしまえば、使う材料によって差が出るということです。
『短パン半そでの人』と『ヒートテックを着てダウンコートを羽織っている人』だと圧倒的に後者の方が暖かい。そんなイメージです。
パンを常温保存して良いのは最長3日です
パンの劣化は焼きあがった瞬間から急激に進んでいくので、本当は当日中に食べ切るのがベストです。
とはいえ、食パン1斤やバゲット1本買ってしまうと1日では到底食べきれないと思います。その場合は『3日以内に食べ切れるか?』判断してみて下さい。
もし、3日以内に食べ切れるなら『常温保存』で構いません。
保存方法ですが、ジップロックのようなジッパータイプの保存袋に入れて水分の蒸発を防ぐようにしましょう。
絶対に直接テーブルにパンを置いたままにしてはいけません。翌日くらいにパンの表面が乾燥して硬くなってきますよ。
長期保存は『冷凍』がベスト!その理由とは?
何故、冷蔵はダメなのに冷凍は良いのか・・・不思議に思うかもしれませんね。
お店で焼きたてのパンを買うと、梱包されているビニール袋が湿っていることありませんか?その理由はパンから水分が抜け出たからです。
パンに含まれる水分が時間と共に気化(液体から気体になるということ)することでパンが劣化していきます。つまり、水分を失わせなければ良いわけなんですね。
パンを冷凍させると内側の水分も一緒に凍らせることが出来るので、劣化が止まるという仕組みです。非常に理にかなったやり方と言えますね。
冷凍保存は早ければ早い方が良いです。少しでも「明後日までには食べきれないな…」と思ったら、即冷凍しましょう!
その方があなたもパンも幸せになれますよ。
冷凍時にちょっと一工夫【アルミホイル+ジップロック】
冷凍保存する方法ですが、僕のおすすめは『アルミホイルに包んでジップロックで冷凍』です。
念入り過ぎるんじゃないのって思うかもしれませんが、色々試した結果でベストが何かと言われるとこれしかないです。
この方法をおすすめする理由は、以下の2点です。
・気密性が高い(乾燥防止になる)
・熱伝導率が高い(周囲の冷気が伝わりやすく急速冷凍できる)
気密性を高めて、急速冷凍すれば失われる水分量をさらに減らすことが可能です。是非お試し下さい。
パンメーカーの敷島製パンの研究にて、パンは急速冷凍した方が、劣化を遅くなるだけでなく旨味と甘味がアップしたという結果が出ています。
味覚も科学的に証明できるとか…すごい時代になりましたね。
冷凍したパンを美味しく解凍する3つのテクニック
上手に冷凍できたとしても、解凍時に失敗してしまっては元も子もありません。
失敗しないための解凍方法は以下の3パターンです。
僕のおすすめは『魚焼きグリル』です。最も手軽でパンがふっくら仕上がるので気に入っています。
1.オーブンレンジで解凍
オーブンレンジに冷凍したパンを入れて再度焼き直すやり方です。
予熱込みで【180℃で10分】だと良い感じに焼けます。
パンが凍ったままでも十分焼けるので、予熱が終わったオーブンにそのまま入れてしまいましょう。常温解凍した方が良いという意見もありますが、冷凍したまま焼いても美味しく食べられるので大丈夫です。
焼く時のポイントですが【霧吹きでパンに水をかけてから焼く】と表面が少しカリッと仕上がるのでおすすめです。
ぜひ、試してみて下さい。
2.魚焼きグリルで解凍【おすすめ】
魚焼きグリルは直火なので、パンの解凍&焼く時間が圧倒的に早いです。ただし、火力調整を誤るとすぐに焦げるのでご注意下さい。
直火だと、焼きムラが出来そうな気がしますが、意外にまんべんなく火が通りますよ。
3.トースターで解凍
トースターを使う利点はオーブンレンジよりも予熱時間がかからないことです。ただし、時短という意味では魚焼きグリルの方が優秀です。
あまり利点が思いつきませんが、魚焼きグリルで焦がすのが心配な人・オーブンレンジの予熱時間を待つのが嫌な人はお試し下さい。
まとめ:パンが食べきれない時はなるべく冷凍しよう
明日からはパンが余ったら常温で長期保存をするのはやめて、冷凍保存するようにしましょう。
おさらいとして、3つの言葉を覚えておいて下さい。
ポイント
・すぐ食べるなら:常温保存
・残りそうなら :冷凍保存
・絶対ダメなのは:冷蔵保存
保存方法を理解すると、買いすぎたパンを長期に渡って美味しく食べることが出来ます。
あなたがいままで時間が経ってまずくなったパンを我慢して食べていたのなら、正しい保存方法を実践することで毎日おいしくパンを食べることができますね。
さっそく明日から取り入れてみて下さい。
それでは、楽しいパンLIFEを!!