悩み事
- オーブンレンジの発酵機能でパンが上手く発酵してくれない…。
- パン生地が乾燥したり、ちょうどよい発酵具合にならず困っている。
- レシピ通りきっちり発酵させたのに上手くいかない。
上記の疑問にお答えします。
パンブロガーのふくともです。
独学パン作りを継続して3年目になる僕から、オーブンレンジの発酵機能でパン生地を上手に発酵させるコツを優しく解説します。
とりあえず10分発酵時間を短くしてみましょう。
オーブンレンジの発酵機能は温度が一定に保てて便利ですが、すべて機械任せにしてしまうと上手くいきません。パン生地の状態を見るように心がけてください。
ポイントは以下2点です。
成功の秘訣
- パン生地を乾燥させない
- 予熱時間も計算に入れて発酵させる
上記さえ意識できればオーブン発酵で失敗する可能性は極めて低くなるでしょう。
当記事では、よくある失敗例に対して解決策をズバッとお伝えしていきます。
オーブンレンジでパン生地を発酵させる際の参考にしてみてくださいね。
パン作りは発酵がとても大事です【失敗すると悲惨】
パン作りの成功と失敗を大きく左右するポイントは、以下の4点だと思っています。
仕上がりに差が出るポイント
- 材料の配合
- こね方(こね具合)
- 発酵状態
- 焼く時間と温度
当然、上記以外にも気をつけるべき点は多々ありますが、特に失敗が許されない部分ですね。例えば、材料の配合を間違ってしまうと生地がベタベタしてまとまらないですし、味や食感にも変化が生じます。
同時にパン生地の発酵状態を見極めるのも大切です。ここをミスるとパンの形が崩れる原因となってしまうので侮れませんよ。
そもそもパン生地を発酵させる目的って何?
パン生地の発酵には「生地を膨らませる」「形を整える」「風味や香りをよくする」といった重要な役割があります。
パンって極論を言ってしまえば【小麦粉・パン酵母・塩・水】さえあれば作れてしまいますが、材料を混ぜてすぐ焼いても粉っぽいし固くて美味しくありません。
発酵とはパン生地を熟成させるということ。ワインやチーズと同じですね。
パン生地が正しく熟成されることでキレイに膨らむようになりますし、風味や香りがどんどん良くなっていきます。我が子を育てる母のような気持ちで、パン生地を育てていきましょうね。
発酵に失敗するとどうなる?
以下のようなちょっと悲惨な目に合います。
発酵に失敗すると?
- 成形時に生地がしぼむ
- 焼いた時にボリュームが出ない
- 焼いた時に裂けて形が崩れる
- 風味や香りが弱くなる
一言で表すなら「美味しくない」ってことです。
食べられないことはないので捨てずに責任を持って食したいところですが、絶対に美味しい方がいいに決まってますよね。
発酵方法は大きく分けて3通り
ざっくり伝えると以下の3つです。
- 室温で発酵させる
- オーブンレンジの発酵機能を使う
- 発酵器を使う
室温で発酵させるのが最もお手軽。ただし、「最終発酵」には適していません。
少し補足すると、パンの発酵には「1次発酵」と「最終発酵」の2種類ありまして、それぞれ適正とされる温度が違います。
1次発酵と最終発酵の適正温度は以下をご覧ください。
温度 | 湿度 | |
1次発酵 | 25~35℃ | 70~75% |
最終発酵 | 37~38℃ | 70~75% |
※パン生地自体の温度を指す
※パンの種類や材料次第では当てはまらない場合あり
別記事でも詳しくまとめています。
-
パンを発酵させる温度の考え方【こね上げ温度・1次発酵・2次発酵】
続きを見る
1次発酵は30℃くらいなので室温でもいけますが、最終発酵は40℃近く必要となります。温度を上げるのも難しいですし、部屋が暑くて発狂してしまいますよね。
なので、最終発酵では「オーブンレンジ」か「発酵器」の2択となります。
「オーブンレンジ」の発酵機能は細かく温度設定が出来ない機種が多いですが、30℃と40℃が選べれば十分です。ただし、湿度のコントロールはできないので季節によって工夫が必要になってきます。
妥協したくない、温度と湿度をしっかり安定させたいのであれば「発酵器」を使うようにしましょう。
価格が2~4万円と少しお高めですが、1℃単位で温度設定ができますし同時進行で別のパンが焼けて便利。1日でたくさんパンを焼きたい人にはうってつけです。
発酵器の便利さを詳しく知りたいというあなたは、以下の記事をご覧ください。
-
発酵器でパン作りの効率アップ!メリット・デメリット&おすすめ紹介
続きを見る
オーブンレンジの発酵機能を使う時の失敗例と解決策
オーブンレンジの発酵機能で起こりうる失敗例をいくつか挙げていきます。
なお、いずれも発酵器を使えば解決してしまいますが、それだと身も蓋もないので工夫して解決する方法をお伝えしていきます。
なんだか心当たりがあるぞというあなたは参考にしてみてくださいね。
1.パン生地が乾燥してしまった
発酵前のパン生地の表面はしっとりしていたはずなのに、発酵後に乾いてカサカサになっているという経験ないでしょうか。
この事例は特に乾燥しやすい秋~冬に起きやすいです。オーブンレンジの内側って湿度が高いように思ってしまいがちですが、あなたの部屋とあまり変わりません。
部屋の湿度が低い日に、パン生地をそのままオーブンレンジに入れると水分が抜けて乾燥の原因になります。
解決策
言うまでもなく、乾かないように保水してあげるだけで解決します。
最も楽なのが、濡れ布巾をパン生地に被せるやり方ですね。冷たい水だとパン生地の温度が下がってしまうので、ぬるま湯で絞るようにしてください。
あとはコップにお湯を張って、オーブンレンジに入れておくのも有効です。
オーブンレンジも高機能なものだと「スチーム機能」が付いています。こちらを利用すれば、蒸気がプシューっと出て乾燥を防いでくれるので何の心配もいりません。
そろそろオーブンレンジを大きいものに新調したいと思っているなら、「スチーム機能」搭載の機種で検討してみてはいかがでしょうか。
-
【2024年版】パンを焼く目線で語る!オーブンレンジ徹底比較&おすすめ紹介
続きを見る
2.過発酵(発酵しすぎ)になってしまった
「最終発酵」でいい感じにパン生地が膨らんでくれたのに、オーブンの予熱時間を計算してなくて発酵すぎて台無しになるというアクシデント。
僕もよくやらかしていた失敗例。特に室温が高くなりがちな夏場は注意が必要ですね。
残念ながら、オーブンレンジの発酵機能を使っていると予熱を行うことができません。発酵が終わってから予熱という流れになるので、ちょっとした空き時間が生まれるわけですね。
オーブンレンジの性能によりますが、予熱時間はおおむね15~25分。意外と長いんです。
本などのレシピに記載されている発酵時間はオーブンレンジの予熱まで考慮していないケースが多く、最終発酵が終わったらすぐに焼くという流れになっています。これだと失敗しちゃいますよね。
解決策
まずやるべきことは「自宅のオーブンレンジの予熱時間を計る」です。
計り終えたら、その半分の時間で最終発酵を切り上げてみると上手くいくと思いますよ。
例えば、予熱時間が20分なら最終発酵をいつもより10分早く終わらせる、のようにすれば大丈夫。簡単ですよね。
予熱待ちの間はパン生地の乾燥にも注意。濡れ布巾かラップをかけておくと良いです。
3.パン生地が膨らまない
オーブンレンジ内でパン生地が膨らまないという事態がまれに起こります。
よくあるのは「パン生地の温度が低すぎる」か「1次発酵が長すぎた」あたりですね。
解決策
「パン生地の温度が低すぎる」ですが、まずパン生地の温度が「28~30℃」になっているか温度計で計ってみてください。足りないようであれば、発酵温度を高くしたり熱湯を張ったボウルを使って生地の温度があがるように工夫してみてください。
続いて「1次発酵が長すぎた」というケースです。パン生地が膨らむのはパン酵母の働きで発酵が進むからなのですが、1次発酵が長すぎてパン酵母が力を使い果たしてしまう(糖分が不足する)と全然膨らんでくれません。
この場合は膨らませることは諦めて焼くしかないですね。次回は1次発酵させ過ぎないように注意しましょう。
パンの膨らみに関する原因は多々ありますので、別記事で徹底的にまとめました。参考にしてみてください。
-
【発酵不足を解消】パンが膨らまないシンプルな原因と対処方法はコレ!
続きを見る
オーブンレンジ発酵を使いこなして美味しいパンを作ろう
最終発酵に必要とされる40℃前後の温度をキープするには、オーブンレンジの発酵機能を使うこなすことが不可欠です。
当記事で紹介した失敗例の解決策を参考に、理想的な仕上がりを目指していきましょう。
おさらい
- 発酵はパンの完成度を左右する重要な要素
- オーブンレンジ発酵は乾燥対策と予熱時間を意識
- 効率を重視したい人は「発酵器」を使おう
パン作りを楽しむことが一番大切ですよ。ファイト。
それでは、楽しいパンLIFEを!!