ドイツパンを食べると独特の酸味を感じることが出来ますが、なぜパンなのに酸っぱい味がするのか?気になった事はないでしょうか。その秘密は「サワー種」というパン酵母にあるんですよ。
当記事では「ドイツパンに芳醇な酸味が生まれる理由」を詳しく解説していきますので、ご覧下さい。
こんな方におすすめの記事
- ドイツパンの酸味の正体を詳しく知りたい
- パンが腐ってないか不安に思ってる人
- 自宅でこの酸味を再現できるか知りたい
上記の疑問に答えていきます。
パンブロガーのふくともです。手作りパンが趣味の僕から、ドイツパンの酸味の正体「サワー種」とは何か?を詳しくお伝えしていきます。
記事の内容
・ドイツパンの酸味の正体とは?
・サワー種の特徴と作り方
・酸っぱいドイツパンの美味しい食べ方
結論から言うと、決して腐っているわけでは無くて、「ライ麦粉」とパン酵母の一種である「サワー種」を使って作ることで、独特の香り高い酸味を生み出しているだけなんです。
詳しくは記事内で解説していきますので、ご覧下さい。
ドイツパンが酸っぱいのは「サワー種」の影響です
サワー種はパン酵母の一種で、パンを発酵させる大切な役目を担う主材料です。


例えるなら、「リモコンに入れる乾電池」「自家用車のガソリン」みたいなもの。酵母はパン生地を膨らませたり、味や風味を良くしてくれるパン作りには無くてはならない存在です。ワインやビールもパンと同じように、酵母の働きで発酵させているんですよ。
ちなみにパン酵母にはサワー種以外にいくつか種類があります。イーストやレーズン種、ルヴァン種あたりが有名ですね。パン屋さんでは、酵母の特徴を活かせるように、パンの種類によって使い分けている店舗が多いです。こだわり感じますよね。
天然酵母:サワー種の特徴とは?
サワー種を使うと、パンに芳醇な酸っぱい味と香りを付けてくれます。これが最大の特徴ですね。

サワー種は「ライ麦粉」と呼ばれるライ麦から作られた粉を原料に培養(ばいよう)するのですが、サワー種を作る過程でライ麦粉や空気中に含まれる「乳酸菌」が増加して、独特の酸味と風味を生み出しているんです。他のパン酵母だと、同じような仕上がりにはなりません。
ドイツパンにサワー種がよく使われる理由はライ麦粉のおいしさを最大限に引き出してくれるから。原料は同じなので納得ですよね。
サワー種はライ麦粉を食べやすくしてくれる
そもそも、サワー種はライ麦粉をおいしく食べる方法を試行錯誤した結果生まれたと言われています。
ライ麦粉って一般的には小麦粉と混ぜて使われることが多いです。なぜだと思いますか?
ライ麦粉は、小麦粉と違ってグルテンを形成しないので、パン生地を膨らませることができません。
例えば、サワー種を使わずにライ麦粉100%でパンを作ったとしましょう。グルテンが生まれないパン生地はずっとドロっとしたまま。強引にオーブンで焼き上げても、ネバっとした口当たりと酸っぱさだけが残るパンになります。要はおいしくないんですよ。
そんな扱いづらいライ麦粉を、おいしく食べる方法として考案されたのが「サワー種」なんですね。
サワー種はライ麦粉の酸味を穏やかにしてくれるだけで無く、パン生地をしっとりさせてくれる効果があり、食べやすく仕上げることができます。
寒冷地のドイツでは小麦の育ちが悪く、ライ麦でパンを焼かざるを得ない時がありました。「どうにかライ麦粉だけでおいしいパンが作れないものか…」と考えに考え抜いた末に生まれたのが「サワー種」だったというわけです。
サワー種の作り方を解説【かなり大変ですよ】
サワー種をご家庭でも作ることが出来るのか?
答えは「イエス」です。

僕もパンの手作りを2年ほど続けていますが、いまだサワー種は未挑戦です。作り方を見た瞬間「こりゃ、面倒だ…」と戦慄した記憶がありますね。
少し噛み砕いて説明しますが、以下のような手順でサワー種は作られます。
サワー種の作り方
1日目 | ライ麦粉に同量の水を加えて、26℃で発酵(翌日まで放置) |
2日目 | 1日目の種の一部に、ライ麦粉と同量の水を加えて、26℃で発酵(翌日まで放置) |
3日目 | 2日目の種の一部に、ライ麦粉と同量の水を加えて、26℃で発酵(翌日まで放置) |
4日目 | 3日目の種の一部に、ライ麦粉と同量の水を加えて、26℃で発酵(翌日まで放置) |
5日目 | サワー種(初種)が完成 |
見てもらえると驚くかもですが、サワー種を完成させるまでに5日掛かります。手順は繰り返しになるので、時間と衛生管理がとにかく大変です。

ちなみに上記の手順で作ったサワー種は初種(アンシュテルグート)と呼ばれており、さらに同じ工程を繰り返すことで、酵母・乳酸菌の数や酸味が変わってくるそうです。
呼び方も以下のように変化します。
サワー種の種類
- 初種(アンシュテルグート)
- 一段階(アンフリッシュザワー)
- 二段階(グルントザワー)
- 三段階(フォルザワー)
ちょっとマニアック過ぎましたね(笑)
ドイツパンは、フランスやイタリアのパンと比べると、日本での認知度はまだ低い印象です。もっとドイツパンのことを知りたいという方は、以下の書籍を読むと知識が深まると思います。
酸っぱいドイツパンをおいしく食べる方法
ドイツパンの独特の酸味が好きという方は、そのままスライスして何も付けずに食べるのも良いでしょう。
逆に酸味をもう少し抑えて味わいたいという方には、味の濃い食材と一緒に食べると酸味が穏やかに感じるようになります。
以下の具材は特に相性が良いです。
相性が良い具材
・ソーセージ、ハム
・スモークサーモン
・レバーパテ
・カマンベールチーズ
ライ麦パンを厚めに2枚スライスして、上記の具材を挟めば素敵なサンドイッチの完成です。ランチタイムが楽しくなりそうですね。
僕の好きな食べ方は「クリームチーズをたっぷりと塗って食べる」です。クセの少ないクリームチーズは、ライ麦パンの酸味を邪魔しないので、しっかりとパンの味を感じることができます。さらにスモークサーモンを挟めば無双状態。スモーキーな味と香りがよく合います。

「おいしいチーズと一緒にドイツパンを食べたい」と思ったあなたには「オーダーチーズ」がおすすめです。僕もこちらでチーズをよく購入してますが、スーパーで売っているものと比べて味わいやコク、旨味が段違いです。日本で買えない海外産チーズばかり扱っているので、貴重なチーズに出会うことができますよ。
まとめ:ドイツパンは酸味と一緒に楽しみましょう
ドイツパンが酸っぱいのは「サワー種」と「ライ麦粉」の相乗効果によるものでした。
味にほのかな酸味があっても決して腐っているわけではないので、安心して下さい。本当に腐敗していたら、酸っぱい以前に異臭で気付きますよ。
おさらい
- 独特の酸味の正体はサワー種
- サワー種を使うことでドイツパンが食べやすく仕上がる
- ライ麦粉と水だけでサワー種は作れる(5日かかる)

もっと色々なドイツパンを食べてみたいけど、近くにお店が少ない…と感じているあなたには、通販で全国発送してくれるパン屋さんを利用してみてはいかがでしょうか。
僕が見つけたパンの通販をしている専門店を一覧化して記事にまとめました。ぜひ、参考にしてみて下さいね。
それでは、楽しいパンLIFEを!!