あなたが自宅でパンを焼いた時に、こんな失敗経験はありませんか。
悩み事
レシピ通りの温度で焼いているのに、パンが黒焦げになった。
食べてみたら、パンの中心が生焼けだった。パン作りは平均して3時間くらい必要なので、出来るだけ失敗したくはないですよね。
手順通りにパン生地をこねて発酵まではうまくいっていたのに、最後に焦がしてしまうと今までの苦労が水の泡です。また、きれいに焼けたつもりでもパンを切ってみると生焼けだったら食べる気も失せてしまいます。
今までの時間を返せー!って叫びたくもなりますよね。
今回はパンを上手に焼けなくてお悩みのあなたに【黒焦げと生焼けにならないためのノウハウ】を伝授します。
僕も2年近くパンを自宅で焼いていますが、10回以上パンを焼くのに失敗した経験があります。
最初はオーブンのせいにしていたのですが、繰り返しているうちにどうも違うところに原因があるなと思いまして、上手に焼く方法を調べることにしました。
調べているうちに、失敗する原因はオーブンの扱い方にあることに気付いたのです。
そこでオーブンの扱いに気を付けてパンを焼くようにしたところ、不思議と失敗することが無くなりました。
10分くらいで読める内容なので、気になる部分だけでも読んで実践にしてみて下さい。
失敗原因1:パンを焦がしてしまう
パンをよく焦がしてしまうあなたが、まず理解しなければいけないのが「オーブンの状態に目を向ける」ということです。オーブンの状態さえしっかり把握できるようになれば、焦がす失敗は限りなくゼロに近づく事でしょう。
焦がして失敗してしまう理由は以下の2つです。
理由②:パンが焼けている状況に注意出来ていない
再発しないための原因を詳しく掘り下げていきましょう。
理由①:温度管理が出来ていない(レシピを信じすぎないで)
「パンを焼く時に常に一定の温度で焼いていませんか?」
オーブンレンジの機種にもよりますが、ご家庭用のオーブンレンジの場合は庫内が狭く熱源が近い部分にあるため、一定の温度でパンを焼いていると焦げてしまうことがあります。
では、焦げないために温度を低く設定すれば良いか?と言うとそうではありません。最初から温度を下げてしまうと焼き色を付けることができないので綺麗にパンが焼けませんし、あまりに低すぎると生焼けの原因にもなります。
パンを焦がさずに上手に焼くコツ…それは、温度設定を状況に応じて変更させることです。
レシピに書かれている温度はあくまで【レシピを書いた人のオーブン環境で焼いた場合の適正温度】です。ガスオーブンで焼いた場合と家庭用のオーブンレンジで焼いた場合とでは火の通り方がまったく違います。
『自宅のオーブンのクセは自分で把握するしかないのです。』
といっても、オーブンのクセなんていきなりはわからないですよね。
オーブンのクセがわからなくても、簡単に実践出来る対策を2つご紹介します。
これだけ守ってもらえれば焦げるリスクが激減しますよ。
対策1:温度を途中で下げる
最初はレシピに記載されている通りの温度でパンを焼き始めて、10分後に200℃まで下げてください。
理由は10分も焼けば良い感じに焼き色が付いてくるので、高温で焼く必要が無くなるからです。
尚、焼く時間を縮めるのはNGです。
見た目がきれいに焼けているからといっても、中まで火が通っているとは限りません。時間はきっちり守らないと生焼けの原因になるので気を付けて下さい。
対策2:アルミホイルを被せる
焦げそうになったら、温度を下げずにパン生地にアルミホイルを被せてみましょう。アルミホイルは断熱効果が抜群で、上からの熱を遮断してくれるため、焦げる心配がなくなります。
僕が使っているオーブンレンジはサイズが17Lと小さいので、放っておくと8割真ん中の生地が焦げてしまいますが、アルミホイルを使うようになってからは焦げ知らずです。
手軽に実践できるやり方なので「焦げそうって思ったらアルミホイル!」って覚えておいて下さいね。
理由②:パンを焼いている状況に注意出来ていない
よくあるケースとして、少し目を離していたらパンが焦げていたなんてことがあります。
オーブンの温度は200~250℃に達しており、非常に高温です。このような高温の中で焼かれているわけですから、たとえ1分だけ目を離したとしてもパンの表面が焦げ始める可能性もあるわけなんです!
また、オーブンの手前に置いたパンは平気だけど、奥側のパンだけ焦げていたなんて経験はないでしょうか。
こちらもオーブンを過信していることが原因です。
オーブン内の温度は熱源に近い部分が一番高温になるので、手前があまり焼けていなくても熱源に近い部分だけ焦げたりします。しっかりとオーブン全体の状況を把握することが重要なんですね。
以下の2つの対策で改善されますので、心当たりがあれば実践してみましょう。
対策1:慣れるまではオーブンを見張ること
オーブンのクセや温度の上がり方は、何度もパンを焼いて身体で覚えるものです。いきなりオーブン任せで焼くと失敗してしまうので、慣れないうちはオーブンから離れないようにしましょう。
とはいえ、焼き始めから焦げる心配は無いので、最初の5分くらいは放っておいても良いですよ。
対策2:パンの位置を調整する
オーブン内の温度は均一ではないので、常に同じ場所でパンを焼き続けると焼きムラが出る場合があります。
焦がさないためのポイントとして、焼き途中でオーブンを開けて焦げそうなパンを手前に移動させましょう。そうすることで熱源から遠ざけることが出来ます。
尚、オーブン内は超高熱なので、必ず耐熱グローブをはめて作業して下さいね。
失敗原因2:パンの中心が生焼け
パンが生焼け状態になってしまう人の多くは前工程で失敗しているケースがほとんどです。
生焼けのパンって生地がデロっとしてて美味しくないので、食べるのもつらいですよね。
4つだけ気を付けて欲しいポイントを書きました。
理由②:オーブンの予熱が出来ていない
理由③:酵母が古い
理由④:型に詰め込みすぎ(型焼きパンの場合)
順番に解説していきますので、当てはまるところを改善してみて下さい。
理由①:発酵に失敗している
パン自体の発酵が上手くいっていないと、オーブン内でパンが膨らんでくれません。そうなると焼いた時にパンがしぼんでしまったり、生地が詰まった状態になって、生焼けに繋がる場合があります。
発酵に失敗する理由は温度が適正では無かったり、こね方の問題など多くのケースがあります。
対処方法は、こちらの記事に詳しくまとめていますので、参考にしてみて下さい。
-
【発酵不足を解消】パンが膨らまないシンプルな原因と対処方法はコレ!
続きを見る
理由②:オーブンの予熱が出来ていない
時間が無いからといって、オーブンの予熱をそもそも行わないでパンを焼いていませんか?
たしかに時間が経てば、オーブン内は設定した温度まで上がっていきますが、それだとパンの火の通り方にムラが出来てしまいますよ。
僕も時間が無くて予熱をさぼって焼いた経験がありますが、必ずと言って良いほど焼くのに失敗しました。
パンの生焼けを防ぐための対策は以下の2つです。
対策1:焼き始めは適正温度を守ろう
当然ですが、予熱は必ず行って下さい。さらに、パンを焼き始める時の温度は必ずレシピ通りの温度を設定するようにしましょう。焼き始めの温度が適正であればきれいにパンが膨らみますし、生焼けも解消されます。
尚、オーブンにもよりますが、実際の内部温度が予熱後に設定した値に達していない場合があります。実際の内部温度を正確に測るために庫内温度計を1つ持っていると便利です。
庫内温度って見た目では、まず判断できませんからね。
対策2:予熱後に時間を空けない
オーブンにパン生地を入れるのに手間取って時間が掛かってしまうと、オーブン内の温度はどんどん下がってきてしまいます。
できるだけ予熱後に時間を空けずにオーブンにパンを入れた方が良いでしょう。
また、オーブン自体を開ける時間も短くして下さい。オーブンを開けている時間が長いほど急激に内部温度が下がってしまうのです。
特にバゲットなどのハード系のパンを焼く時には注意が必要です。
バリっとした食感を出す為には高温をキープして焼き始める必要があるので、オーブンを開ける時間を最小限にする必要があるんです。
理由③:酵母が古い
ドライイーストなどは日持ちするので長期的に利用できますが、時間が経てば発酵力が弱くなってきます。
発酵力が弱いとパンが思うように膨らまないので、生焼けになりやすいのです。
発酵に失敗したパンは味もイマイチ。ドライイーストであれば、半年(長くても1年)以内に使い切るようにして下さい。
理由④:型に詰め込みすぎ(型焼きパンの場合)
食パンなどの型に入れて焼くパンを作る際は、発酵して膨らむ大きさを計算して型に詰める必要があります。
フタを閉じて焼く角食パンの場合、型の縁ぎりぎりまでパン生地を詰めてフタをすると、うまく膨らまないので生焼けの原因になります。
角食パンであれば、型の7割程度まで膨らませるのが良いですね。
パン生地をオーブンで焼くと、パンの種類にもよりますが大体1.5倍程度に膨らみます。この現象を「オーブンスプリング(窯伸び)」と呼んでいます。
型に詰めて焼くパンに限らず、天板にパン生地を並べる場合も同じことが言えますね。窯伸びを意識してあげると、パン生地同士の接触を避けられるので、覚えておくと良いでしょう。
番外編:パンの底だけ焦げてしまう場合
パンの表面はきれいに焼けたと思っても油断大敵。底だけ黒焦げになってしまう場合があります。
特にクロワッサンやバターロールなど油脂を多く使ったパンに多く見られる失敗ケースです。(写真は僕がやりました!)
焦げの原因は、天板の温度がパンの底に伝わり過ぎてしまったためです。
油脂が多いパンは表面からバターが溶け出してしまうことが多く、天板のうえで熱せられることにより底が焦げる場合があります。
取るべき対策は以下の2つです。
対策1:オーブンシートを重ねて対処
オーブン用のクッキングシートって思っている以上に天板の熱をパンに伝えてしまうのです。焼き終わりにクッキングシートに触ってもらえると予想以上に熱くなっていることに気付くと思います。
底だけよく焦がしてしまう人は、オーブンシートを2枚~3枚重ねて調整することで改善されるので、お試し下さい。
対策2:シリコンマット(シルパン)を使う
底を絶対に焦がしたくない人はシリコンマット(別名:シルパン)がおすすめです。
シリコンマットの優れている点は、以下の3点です。
- 断熱性が高く、天板の熱が伝わらないので焦げない
- 水洗いして半永久的に利用出来るため経済的
- 丸めてしまえるので、収納場所を取らない
僕もAmazonでシリコンマットを購入してからは、パンを焼く時に必ず下に敷くようにしています。
パンの底が焦げないので、一度使いだすと快適過ぎて手放せないですよ。
底を焦がす心配から解放されたい人は1つ持っておく事をおすすめします。
僕が愛用しているシリコンマットは、以下の商品です。
S~Lサイズと大きさがあり、自宅のオーブンに合ったサイズが選べます。
オーブンレンジ内のサイズをメジャーできっちり測ってから、シリコンマットを選ぶようにして下さいね。
まとめ:オーブンのクセを理解するまで温度調整を怠らないこと
繰り返しになりますが、オーブンは機種によって温まり方に差が出るものです。
レシピの温度を信じるのではなく、自宅のオーブンの焼き具合を基準にパンを焼くようにして下さいね。
オーブンのクセを理解することが出来たら、ある程度は焼き色のコントロールが可能になります。
記事の注意点に気を付けて続けていってもらえれば、思い描いた通りのきれいなパンが焼ける日も近いです!慣れるまでは回数を重ねるしかないので、肩肘張らずに気楽にパン作りを続けていって下さいね。
パン作りの失敗対策にこちらの記事もおすすめです。
関連記事
それでは、楽しいパンLIFEを!!