悩み事
- スーパーで「プンパーニッケル」という名前の黒いドイツのパンを見かけた。どんな味か気になるけど、見た目が独特でクセが強そう。
- 口に合わないと嫌なので購入前に食べた人の意見を聞きたい。
上記の疑問にお答えします。
プンパーニッケルは、日本でも購入しやすくなったドイツのパンですが、やはり見た目の異様な黒さに買うのをためらってしまいますよね。
当記事では、実際にプンパーニッケルを食べた僕から【味・食感・栄養価・食べやすさ】といった情報をまとめました。記事を読んでもらえれば、プンパーニッケルがどのようなパンなのか理解することができますよ。
記事の内容
・プンパーニッケルってどんなパン?
・プンパーニッケルを実食レビュー
・プンパーニッケルと食パンの栄養比較
食生活アドバイザー2級、パンシェルジュ検定3級を保有している僕から、プンパーニッケルの特徴や栄養価が高い理由など交えて解説していきます。
当記事が、プンパーニッケルの味が気になっているあなたの助けになれば幸いです。
プンパーニッケルってどんなパン?
プンパーニッケルは別名「レンガパン」とも呼ばれている、黒くてツヤっとした見た目のドイツ生まれのパンです。人によっては「プンパニッケル」と伸ばさず呼ぶ人もいますが、イントネーションの問題なのでどっちでも良いです。(当記事では、プンパーニッケルに統一)
プンパーニッケルには、以下のような特徴があります。
特徴
1.ライ麦粉100%で作る(小麦粉は使わない)
2.蒸し焼きにして作る
3.パン酵母にサワー種を使う
なんと、パンなのに蒸して作るんですよ!驚きですよね。
1.プンパーニッケルに使う粉は【ライ麦粉】だけ
ライ麦粉はその名の通り「ライ麦を粉にしたもの」で、黒い色をしています。
例えば、日本の食パンだと内面が白っぽい色をしてますよね。白い理由は小麦粉を材料にしているからですね。
粉の色がそのままパンの色に反映されるものなので、黒いライ麦粉を使ったパンは黒く仕上がるってわけです。ベリーシンプル。
ドイツという国は寒冷で小麦が育ちにくい土地が多かったので、寒さに強いライ麦を育てる文化が根付きました。しかしながら、ライ麦粉はグルテンを形成しないので、小麦粉を使うパンと同じ製法では上手く作れなかったんです。
そこで諦めないのが、不屈のドイツ職人さん達。「どうにかしてライ麦粉でおいしいパンを作りたい!」という熱意で試行錯誤した結果、蒸し焼きで作る「プンパーニッケル」が誕生しました。
2.蒸し焼き製法でライ麦粉の良さを引き出す
プンパーニッケルのように蒸して作るパンは世界的に見ても珍しいです。「ライ麦+蒸す」の組合わせのパンは、これだけじゃないですかね。
蒸し焼きにすると、ライ麦の強い酸味が穏やかになって食べやすくなるんだそうです。後は保水力が高まり日持ちします。
ウワサによると、状態が良ければ1年保存が効くそうですが、ちょっと1年後のプンパーニッケルを食べる勇気は無いですよね…(笑)
プンパーニッケルを蒸し焼きするのに時間がかかるんですよ。最低でも4時間、長いと20時間も蒸し続けないといけません…コスパ悪すぎ。
日本のパン屋さんでも「作る時間がかかる割に売れ行きがイマイチ」なので、作っているお店は少ないんだそうですよ。
さらにプンパーニッケルを作るためには「サワー種」と呼ばれるパン酵母を準備する必要があったりします。
3.サワー種ってどんな酵母?
サワー種は天然酵母の一種で、ライ麦粉を材料にして作るパン酵母です。
パン作りの工程を知っている方はご存知かもしれませんが、小麦粉を使うパンはイーストと呼ばれるパン酵母で作るのが一般的。ライ麦パンをイーストで作ることも不可能ではないんですが、ライ麦が持つ苦味・酸味が強調されてしまい、非常に食べにくい…悪い言い方をすれば「マズい」パンになります。
ライ麦粉にサワー種を加えてパンを作ると、ライ麦同士の相乗効果によって苦味・酸味を穏やかにしてくれます。
この効果に気付いた人、スゴすぎますね・・・パン職人の情熱が生んだ奇跡ではないでしょうか。
サワー種はお店で買えないので、手作りしないといけません。完成までに6~7日かけて酵母を育てる必要があったりと、これまた面倒です。
サワー種の作り方や特徴をもっと知りたいという方は、下記の記事に詳しくまとめています。合わせてご覧下さい。
-
ドイツパンが酸っぱい理由は酵母にあり!【サワー種の魅力を解説】
続きを見る
ペーマのプンパーニッケルを実食レビュー
実際にプンパーニッケルってどんな味がするのか?を、お伝えするために食べてみました。
今回食べたのが、PEMA(ペーマ)という100年の歴史を誇る老舗ドイツメーカーが作るプンパーニッケルです。
- 自家培養のサワー種で作っている
- 本場ドイツで製造している
- オーガニック認定(有機JASマーク取得済)
続いてプンパーニッケルの原材料を見ていきましょう。
原材料は有機全粒ライ麦・酵母・食塩の3つだけと、驚くほどシンプル。
そして大きさの割に375gと重く、持ち上げるとずっしりとした重量感があります…ほぼボトルタイプの缶コーヒーと同じ重さですね。
ペーマのプンパーニッケルは7枚に切れた状態になってるので、軽く手で剥がして食べることができます。包丁で切り分ける手間がいらなくて助かりました。
写真をよく見ると黒い粒が見えますが、これが「ライ麦」です。
ペーマはライ麦粉ではなく、「有機全粒ライ麦」を粒のまま使っているので、粒がしっかりと見えます。
【個人的見解】味と食感について
味わいは一言で表すと「素朴」。
まず味付けしないで食べてみましたが、ちょっとモソっとした食感で口の中の水分を持っていかれます。酸味は思ったほど強くないので、クリームチーズとかヨーグルトが好きな人なら問題無いと思います。
ただし、非常に薄味なので料理と一緒に食べないと飽きちゃいます。
リサーチしたところ、酸味のある食材や塩気の強い食材が合うようなので、クリームチーズを塗ってスモークサーモン・バジル・アボカドを盛り付けました。ついでにベーコンエッグも一緒に食べれるように添えています。
予想通り、料理を乗せて食べるとプンパーニッケルの素朴な味わいが活きてきます。特にスモークサーモンやベーコンと一緒に口に運ぶと、プンパーニッケルの優しい酸味がアクセントになって病みつきです。
例えるなら、エスニック料理のパクチー、ミルクティーの中のタピオカのような存在。別のなにかと合わせることで食べやすくなります。
食材と組み合わせると食べやすくはなりますが、万人受けするかというと難しいところです。
プンパーニッケルは普段食べているパンとは完全に別物と思ったほうが良いです。犬と猫くらい差がありますね。ライ麦特有の酸味は正直好みが分かれるところですが、こればっかりは食べてみないと判断できないと思います。
食べる前の心構えとしては、まずパンへの先入観をぶっ壊しておくことをおすすめします。プンパーニッケルは、唯一無二(ゆいいつむに)のパンだと自分に言い聞かせましょう。
プンパーニッケルは栄養価が高い?【食パンと比較してみた】
パンって糖質ばかりであんまり栄養無いイメージですが、プンパニッケルの原料となる有機全粒ライ麦には、食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。
栄養成分表示だけ見てもイメージが沸かないと思うので、食パンの栄養成分と比較してみたのでご覧下さい。
なお、食パンの栄養価は、文部科学省の食品成分データベースに基づいた平均値を記載しています。
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 | 食物繊維 | |
プンパーニッケル | 102kcal | 2.5g | 0.8g | 23.3g | 18g | 5.3g |
食パン | 140kcal | 4.9g | 2.3g | 25.2g | 24g | 1.2g |
※いずれも54gで計算してます
上記の通り、プンパーニッケルの食物繊維は食パンの4倍くらい。便秘解消になりそうですね。あとはマグネシウム・リン・鉄分もプンパーニッケルの方が倍近く含まれてます。
ダイエットに効果的とまではいきませんが、少しでもカロリーや糖質を制限したい人には、小麦粉を使ったパンよりプンパーニッケルのようなライ麦粉で作るパンをおすすめします。
プンパニッケルはオーガニック食品を扱っている店舗で買える
プンパーニッケルは、オーガニックに力を入れているスーパーで販売していることが多いですね、また、カルディ・成城石井・紀伊国屋など輸入食品を扱っているお店でも購入することが出来ます。
有名なのは今回ご紹介した「ペーマ」の他に「メステマッハー」というメーカーのものもあります。どちらもドイツの老舗メーカーですが、メステマッハーは少しねっとりとした食感の模様。食べ比べてみたいところですね。
なお、Amazonや楽天でも販売してるので、お店まで買いにいかなくても手に入ります。
まとめ:プンパーニッケルは好きな人は好きな味
プンパーニッケルは思ってたほど酸味の強さは感じないけど、食感と味が独特なパンでした。
おさらい
- ライ麦の独特の酸味が味わえる
- 好みは分かれる味なので万人は受けしない
- チーズやハムなど塩気のある料理と一緒に食べよう
僕の感想としては「主食というよりおつまみ感覚で楽しむ」という印象。ライ麦の程よい酸味が赤ワインに合いますので、オードブルにしてみるのも面白いです。
ヨーグルトやピクルスのような酸味のある料理が好きな人なら、プンパーニッケルは抵抗無く受け入れられると思うので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
それでは、楽しいパンLIFEを!!